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第弐拾弐章・「好意!?」 ページ22

驚きで目を見開き、復唱する。

確かに、試してみてもいいかもしれない。

これできっと、紅覇が私のことどう思ってるか一目瞭然に分かる。



「でも・・・神官さんが私の事情でそんなことをするなんて・・・

 気持ちは有難いし、試してみたいという気持ちもあるのですが、その・・・・」


続ける言葉を失い、そっと目を伏せる。

私の恋愛事情でこんなに偉い御方を面倒事になるかもしれないことに

巻き込むわけにはいかない。


すると、神官さんは私を抱きしめていた腕を離し、ゆっくりと腰を曲げて

私の目線の位置と神官さんの目線の位置を合わせた。


「俺がさ、何でAの恋愛事情に顔突っ込んでんのか分かる?」


不意にそう聞かれる。

私は「分からない」と言うようにふるふると頭を横に振った。


「好きだからだよ」


突然脳天から降り注げられた心に響く言葉に驚愕し、伏せていた目を上げる。

神官さんの瞳は、見たこともないような真剣な瞳をしていた。

けれど驚愕に再度目を見開く私を見て、ふにゃりと笑った。


「別にさ・・・A、鈍感ってわけじゃないんだけどさ・・・

 俺、さっき言ったじゃねーかよ・・・

 "いつもAのこと一番に考えてる"って。

 それで伝わると思ってたのにな」


「え・・・あ、ええ!? さっきの、そ、そーゆー意味だったんですか!?

 う、ああ、え、ええ!? そんなっ・・・わ、私のどんなとこが好きなんですかっ!?

 こんな平々凡々な奴のどんなとこが好きなんですかっ!?・・・・うっ」


自分で自分のことを「平々凡々」だと言い、あまりにも虚しくなったので両手で顔を覆い、

うめき声を漏らした。

それでも動揺を隠せない。


何故!? 一体何故!?

どうやったらこんなにも美少年で御偉い御方が私なんかに好意を抱くんだろう!?

もしかして私凄い!? そんなわけないなんて言わないでっ!!



動揺を隠せず悶える私を見た神官さんは、面白かったのかくすりと笑い、

私の頭に手を置いた。

そしてその大きな温かい手で私の頭を撫でてくれた。



「そういうとこ。

 Aの無駄に明るくて、元気なとこが好き。

 大好きなんだ。

 皆が笑顔になるから」

第弐拾参章・「悲しげな笑顔」→←第弐拾壱章・「いーこと、とは」



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あぉぞら - すいません!紅覇くんの消してしまいました…。短編集書いてるので、良ければそちらを…!すいません!玲琉.さんの作品、大好きなんでこれからも読ませて頂きます! (2015年6月22日 1時) (携帯から) (レス) id: 0a5444ed6a (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - あぉぞらさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえてすごく嬉しいし励みになります・・・! あぉぞらさんの小説は時間があれば是非読ませて頂きます・・・! (2015年6月9日 18時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
あぉぞら - 私、小説の一気読みはしないんですが、この小説は面白すぎて一気読みしました!私も紅覇くんの小説かいてるので、良かったら見て下さい! (2015年6月9日 1時) (携帯から) (レス) id: 0a5444ed6a (このIDを非表示/違反報告)
もちづき。(プロフ) - 玲琉.さん» ひえええぇありがとう・・・!!発想力というか妄想りょ((ゲフンゲフン。うん!ちょっと息抜きとかに読ませてもらうね! (2014年12月29日 14時) (レス) id: 8ea19f9ae6 (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - もちづき。さん» 来てくれて有難うー!!!!つきちゃんは文才あると思うよ^^っていうか恋愛のシチュエーションとかの発想力がすごいと思う!この小説はマギ知らなくてもわかる内容だと思うよ・・・!多分・・・!良ければ全部読んでやってね()綺麗な文章とか何それ嬉しすぎ>< (2014年12月29日 14時) (レス) id: 754b0bfd10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玲琉. | 作成日時:2014年4月4日 18時

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