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第陸拾夜・「また、明日も」 ページ19

――続いて第四回戦。


王様はなんと私だった。

私はしばし悩んだあと、「三番の人がが二番の人に今から私が言うセリフを言ってください」と

いう命令を下した。

そして三番は白龍、二番が紅玉という結果に。


私は白龍に近寄り、周りには聞こえないような声でセリフを言った。

途端、白龍の顔は真っ赤に染まり、「それ本気で言うんですか?」と聞いてきた。


私は「仕返しだこのやろー」と言って元居た場所へ戻り、

罰ゲームをじっくりと眺めることにする。



白龍が紅玉の前に歩み寄る。

紅玉は身構えた。

白龍は恥ずかしいのか躊躇うようにぷるぷると震え、目を泳がせる。

しかし決心したのか、すぅと息を吸うとセリフを言った。



「あっ・・・あの、その・・・えっと・・・えと、ぎゅ・・・ぎゅってしてもいいですか・・・?」



白龍は生まれたての小鹿のようにぷるぷると震え、恥ずかしそうに頬を赤らめながら紅玉に言う。

紅玉は驚いて目を見開き、口をぱくぱくとしながら白龍につられたようで、頬を赤く染めた。


「ふふっ・・・」

「わっ、笑わないでくださいAさん!!!これで満足でしょう?!さあ第五回戦始めますよ!!」

「あははははは!!はくりゅっ・・・ふっ・・・あはははははっ!!!」

「いつまで笑ってるつもりですか?!さっさと第五回戦を―――」



「A」




白龍の声が遮られる。

彼の声を遮ったのは、他でもない私の手首を掴んだ紅覇で。


部屋に居心地の悪い沈黙が訪れる。


紅覇は束の間誰かを睨んでいたが、視線を私の方に戻してにっこりと微笑むと


「第五回戦、早く始めよう?」


と言い、その沈黙を破った。




――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――

――――――――――――



なんだかんだで王様ゲームは合計十回戦まで続き、終了した。

もう空は茜色から暗闇へと変わり始めていたので、全員各自部屋へと戻ることになった。



慣れない純白色の部屋を眺めながら、ひとりでに呟く。




「また、明日も楽しく過ごせたらいいな」




なんて。

第陸拾壱夜・「新・ゲーム開始」→←第伍拾玖夜・「猫耳メイドさん」



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玲琉.(プロフ) - まーちゃんさん» こちらの方も読んでくれたんですか!?ありがとうございます!!番外編は区切りが悪いしよく分からないかもしれませんがこれ一つでendです。曖昧な、よくわからない感じにしたかったので。第参章もお付き合いよろしくお願いします! (2014年6月10日 19時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
まーちゃん - おおおお!番外編も面白そうな・・・!! (2014年6月10日 18時) (レス) id: 90194117f4 (このIDを非表示/違反報告)
紅凛檎(プロフ) - 玲琉.さん» うんっ!元気だったよー!!玲ちゃんもがんばれー!!応援有り難う* (2014年5月11日 8時) (レス) id: 66a5babc27 (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - 紅凛檎さん» 久しぶり!!!元気だった!?会いたかったよー!!*。うんうん!!またお喋りしよう!! 気がついたらもう第参章だよー作者もびっくりだよー←凄く気になるなんて、有難う♪これからも頑張るね!紅凛ちゃんも頑張って! (2014年5月3日 11時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
紅凛檎(プロフ) - 玲ちゃん、お久しぶりです!(´∀`*) 忙しくて中々来れなかったよ〜;また、お喋りしようね♪ 気がついたらもう第参章!?わぁお!早いなぁ!第参章の予告を、見て凄く気になるよ〜!これからも、頑張って!! (2014年5月3日 10時) (レス) id: 66a5babc27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玲琉. | 作成日時:2014年3月20日 22時

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