第67話 動く心臓と動かぬ心臓 ページ24
【引き続き、棗side】
静かな病院。
"朝日奈絵麻"と書かれた札を確認して、引き戸を2、3回ノックした。
反応はなかった。
棗(...身内なんだし、入っても大丈夫か。)
まだ朝の分類に入る時間帯。妹は寝ているのだろう。
そっと、引き戸を開けた。
そこには、思っていたとおりの妹の姿があった。
起こさぬよう、音を立てずに入っていく。
棗(にしても、よく寝てるな...)
妹の様子を見ながら、
見舞いの品として持ってきたゲームサンプルを、隣の机に置く。
((カタンッ!...
棗「しまった!」
メモでも残して帰ろうかと、鞄からボールペンを取り出したが、落としてしまった。
プラスチックが床に叩きつけられる音に加え、自分自身の声を発してしまう。
絶対、彼女は起きてしまっただろう。
それを前提に、俺はペンを拾いながら口を開いた。
棗「わるいな。起こしちまって。」
ハハっと笑いながら、彼女の顔を見た。
それなのに。
______________________彼女の瞼は閉じたままだった。
徐々に様子がおかしいことに気づき、妹に声をかける。
棗「...絵麻?」
体を揺さぶる。が、またもや反応はない。
棗「おい、起きろよ...」
彼女の冷え切った体が、自分の手に伝わって来るのが分かる。
棗「なぁ...っ!返事しろよっ!!オマエの声聞かせてくれよっっ!!!」
自分の心臓がうるさい。
額は冷たい汗で濡れ、気持ちが悪い。
棗「どう...なってん...だよ......っ」
俺が何を言おうと、何を叫ぼうと、
目の前の彼女は少しも動かない。
棗「だれ....か.....
誰か来てくれっ!!!!!!!」
俺の手は、すぐさま緊急用の呼び出しボタンを押していた。
途端、雅兄と同じ服に身を包んだ人たちが慌てて駆け込んできた。
その場で、処置が始まる。
主治医は、すぐさま絵麻の胸に手を当て、心臓マッサージを繰り返す。
俺は、
唯々、回復を祈ることしか出来なかった。
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ゆりか(プロフ) - 続きみたいです!! (2020年2月14日 18時) (レス) id: 1647bd3009 (このIDを非表示/違反報告)
ルチア(プロフ) - 続編もう一度書いて頂けませんか? (2018年6月12日 0時) (レス) id: 371a1d1c70 (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - まだ途中ですが面白いですね! それと…三つ子はそれぞれ椿、梓、棗と呼び捨てですよ (2014年12月24日 18時) (レス) id: 96c5361eab (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - それとリボーンっていうアニメ大好きです!!理人さんは知ってますか? (2014年9月8日 16時) (レス) id: 80a14c7e0e (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 私もアニメなしじゃ生きていけない!!って思います!今季のアニメってなに見てますか?私は最近魔法科高校の劣等生とか悪魔のリドルなどを見ています!!けど私すんでいるところが北海道なのでいつもパソコンで見てます!! (2014年9月8日 16時) (レス) id: 80a14c7e0e (このIDを非表示/違反報告)
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