逆デリヘル呼んだら三途来た【三i途i春i千i夜】

↛あなたへの好感度7% ページ7

◆



『ということで本日持ってさようなら。明司さんとかココちゃんにもよろしく』
「は？…待っ、」




　前触れもなく辞めるとAは言い出して、そんなことを言うのは珍しくどうせ結局辞めないだろう、と流していたら、今にもほとんど荷物も持たずに梵天の事務所から出ていこうとするAが目の前にいた。


　かれこれAとは10年以上の付き合いというか腐れ縁。自分でもかなり気色悪いと思っているが、東卍の時からアイツに惚れている。東卍のときはずっとあのデカブツとAが付き合ってるものかと手を出せずにいたし、そもそも相手にされないだろうと思って自分の恋心を見て見ぬふりをしてきた。
　天竺解散後、俺にくっついてきたAにもしかしたらアイツもオレのことがとか心底歓喜に震えて再熱したことが懐かしい。



​───────『春千夜、見て彼氏出来たんだ』



　いつだったか、なんのときだったかクソ可愛い笑顔で写メを見てせくるAからその言葉を聞いて、しばらく立ち直れずAが別れたと言うまでどこの馬の骨とも知れねぇクソドブカスを東京湾に沈めてやることしか考えてなかった。いや考えていたどころか、結局ブッ殺した。
　オレはただ変なプライドで意地張って、クソみてぇにこの劣情を隠し続けていた結果、目もロクに見れないし名前も気軽に呼べなくなってた。



　現在、梵天を辞めたAのことでほとんど空っぽになった俺はソファに座りながら、どうせ冗談だこれだけオレと一緒に居たんだから今更離れてくはずがない、と頭に言い聞かせ続けできたが、2時間と持たずにイライラし始めて薬キメたが全く収まらなかった。そこで事務所に帰ってきたクソ兄弟の蘭の胸ぐら掴んで問い質す。



「あのドブスどこ行きやがった」
「飽きたし三途が自分のこと邪魔そうだから辞めるって言ってたぜ？」
「ドブだのブスだの言って逆にお前それでAずっとここに居るくれると思ってたのかよラリ頭」




　弟の方にド正論に図星突かれて、何も言い返せなかった。これは間違いなく、馬鹿な俺が撒いた種が芽吹いたクソみたいな結果だ。

　オレにとってAは邪魔じゃねぇし、むしろ鬱陶しいぐらい心に邪魔してくれ(？)

　どうにか恋人とか好きだとかは置いとくわけじゃねえけど、取り敢えず梵天に連れ戻したい。何か連れ戻す言い訳を考えて天才的案を見つけ出した。




◆

↛あなたへの好感度8%→←あなたへの好感度6%

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す