あなたへの好感度6% ページ6
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「ん」
『え』
「ん!!」
いや、となりのトトロに出てくるカンタくんかい。春千夜は鞘に収まっている日本刀を私に差し渡す。もちろん目は合わされずに、春千夜は変な方向を見ている。ちょっと面白い。
『これ春千夜の刀でしょ?使っていいの?』
「返さなくていい」
『ありがと』
ずっしりと重い日本刀を受け取る。刀身を抜いて、少しニヤけていると視線を感じる。
「カァッッッツ!!!!」
頭上から謎の声(?)が聞こえて、バッと顔を上げて見れば爆速で顔を逸らされた挙句、春千夜の手によって顔面に目を当てられて何も見えない。
『…なんなのよ』
「もう用済んだからさっさと出てけ」
これでは本当に私を嫌ってないというのは到底信じられない。なんで連れ戻したんだろう。警察側の動きわかるからもっとこき使ってやる、とか? まあそうだよね。もう何年も上手く根回しして梵天探られないようにしてきたのも私だし。
『分かった、じゃ』
そうして部屋から出た。その後部屋から暴れるような謎の音と奇声が聞こえてきたけどまた部屋に入って確認しようものなら不機嫌になりそうだから、放置して部屋から離れた。
◇
「…ブ、A…し、…仕事だ付いてこい」
『ん、おっけーい』
今ブスて言おうとしたな。それよりも春千夜と仕事なんて珍しいな、と思いながら、車に乗る。しかし、運転するのはいつものドライバーではなく春千夜らしい。助手席に乗ろうかと思ったけど、飲み物が2つ置いてあったから、あ、誰か座るんだと思って後部座席に乗ると、ガン、と春千夜がハンドルに頭をぶつけた。
『大丈夫?まだ寝惚けてるなら私運転する?』
後部座席から身を乗り出して、春千夜の肩に手を掛ければすぐに起き上がって、やっと顔を私に向けると随分顔が赤い。熱でもあるのかと思って、額に触れようとしたら運転席のドアが開いてガタガタと春千夜の身体が仰け反って落ちていった。
『……何してんの』
「…いや」
『もう私が運転するわ』
酔っ払ってるのか疲れが溜まって熱が出てるのか分からないけど、No.2がなんとも滑稽な表情と格好である。
やっぱり、任せてられなさそうだと思って後部座席から降りて春千夜を引きずって助手席に押し込んでシートを下げて寝かせて、事務所に戻って水を持ってきてそれを渡す。それから、運転席に座ってチラッと見れば目元を腕で伏せていた。
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愛之助(プロフ) - みなみかわ東。さん» みなみちゃ〜〜〜ん😘😘😘😘😘😘 いい吐息ありがとう🥺 (2021年12月4日 12時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
河谷(プロフ) - 愛之助さん» ああもう頭ん中ではひ〜ちゃんだったのにごめん🥺🥺 (2021年12月2日 6時) (レス) id: 1007f168b9 (このIDを非表示/違反報告)
みなみかわ東。(プロフ) - とてもよい作品でございました(吐息) (2021年12月1日 21時) (レス) @page11 id: e84367e7a0 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 唯梨さん» あ〜ゆーりたん読んでくれてありがとうね…🤦♀️🤦♀️ (2021年12月1日 18時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 卍卐さん» お邪魔します…😌 (2021年12月1日 18時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛之助 | 作成日時:2021年10月12日 8時