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俺がシャンパンを持って戻ると、Aはシャンパングラスを用意して俺の席の前だけに置くから、
「お前もたまには付き合えよ。」
そう晩酌に誘う。
「でも…。」
酒があまり強くないAは目に見えて躊躇して。
「せっかくコレ開けるんだ。お前と味わいたい。」
「…ん。」
小さく頷くと自分の分もシャンパングラスを用意した。
お互い注ぎ合ってさて乾杯という所で、Aが席を立ち、
「ちょっと待って？」
って再びキッチンに消えた。
その間にテーブルの上に視線を巡らせてると、魚貝のカルパッチョから白身魚のムニエル、それにステーキ、ちゃんとスープもある。
盛り付けも見様見真似かもしれないがそれなりにフレンチっぽい。
楽しそうにキッチンに立ってるから元々料理は好きなんだろうと思ってたけどここまでとは。
自分の為に頑張ってくれた可愛い嫁のいじらしさに、今日はどう可愛がってやろうとほくそ笑む。
「しょーちゃん？電気暗くして。」
「あぁ。」
何が出てくるかなんてわかってはいるが、俺は知らないという前提だし、可愛い嫁の気持ちを汲んで最後まで知らないフリを貫いてやる。
リモコンで部屋の照明を落とすと、俺の年齢の数字のろうそくが立ったケーキをAが両手で持って来てテーブルの真ん中に置いた。
「しょーちゃん？お誕生日おめでとう。」
向かい側の席でふんわり笑ってそう言ったAを手招きで呼び寄せて、片方の太腿の上に乗せ腰を抱いた。
「…ありがとう。」
腰を抱いてない方の手をAの後頭部に添えて俺に引き寄せキス。
リップやらグロスを塗ってなくても柔らかいAの唇は、きっとこのケーキよりも甘いはず。
「しょーちゃん、ふぅ〜しないと。」
「あぁ。一緒にするか？」
「え？しょーちゃんのお誕生日だからしょーちゃんがするんでしょ？」
「俺らは夫婦だ。例え片方の記念日でも、お互いの記念日として祝っても問題ねぇだろ？ふたりでひとつなんだから。」
「…ん。」
素直に頷いたAの頭を撫でてやると嬉しそうに目を細める。
ホントにコイツは甘え上手だ。
本能で俺を喜ばせる術を知っている。
世界が広しとも、俺を喜ばせる事ができるのはコイツだけ。
「しょーちゃん？じゃぁ一緒に……せーの。」
嬉しそうな弾んだ声でそう言うとろうそくに向かって息を吐いた。
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ゆーか.Ss.Kn.Ti(プロフ) - 俺様しょーちゃん素敵でした！夢主以外は冷酷な鬼社長なのに夢主には甘々な社長のギャップがとても良かったです！ (2018年5月23日 11時) (
レス) id: 46f7e9ba0d (このIDを非表示/違反報告)
sallysally67(プロフ) - 一気に読み漁りました。んも〜溺愛ぶりがたまらないです。甘い甘い雰囲気の中で素敵な言葉が交差するので、余韻に浸ることができて夢心地。櫻井社長の気持ち良い程の溺愛に思えるのは、しおななさんの紡ぐ言葉だからこそですね。 (2018年5月18日 9時) (レス) id: 8738f1c5dc (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - う〜ん、ここまでくるとお見事！としか言いようがない〜 めっちゃ楽しかったです (2018年5月10日 10時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
wakana2145(プロフ) - また、この小説が読めて凄く嬉しいです！！溺愛翔くんに何度読んでもにやけてしまいます！ほかの作品も楽しみしています、頑張ってください！ (2018年4月25日 21時) (レス) id: 567c211a3d (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - 凄く嬉しいです、更新ありがとうございます。 (2018年4月9日 13時) (レス) id: 328b884698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2015年9月25日 11時
