真夏の夜は貴方を想う1【SS】 (ページ19)

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事件は突然にページ19

女子達がさらに騒いでる。

二宮君と隣のクラスの相葉君、大野君もいるからか
女子は誰1人体操に集中していない。

櫻井先生は上下黒のスイムウェアを着ている。
その上からでも分かるほど鍛えられた身体は
きっと男子が見ても憧れるだろう。

(凄いな…。)

そう思っていたら、

「よし！クロールから始めるぞー！」

ついに泳がなくちゃいけない時が来た。

ハァ…。

私の順番が来て立ち上がると、
向かい側のプールサイドに居る二宮君達が
私に向かってピースしてる。

その瞬間櫻井先生と目が合った。

(最悪…先生にも下手な泳ぎ見られちゃう。)

早くこの時間が終わって欲しくて、
勢い良く水中へ飛び込んだ。

ズキンッーー

泳いでいる途中急に右のふくらはぎが痛んだ。
脚が攣ったと気付いた時にはもう遅い。

急いで水面に上がろうとしても上がれない。
ジタバタするほど身体は沈んでいく。

んっ！…ゴポッ…

息ができなくて水が口の中に入ってきた。

…！！ヤバイ…

だんだん意識が遠のいてきて、
周りの音が聞こえなくなってくる。

パシャンッーー

「…！山田！！」

誰かが飛び込んで来た気がするするけど、
私はそこで意識を手放した。