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文字の無い本 ページ36

その後、カカシ先生の見解によると先程の敵は霧隠れからタズナを狙って来たようだった。

ということは、Bランク以上の依頼ということになる。私達の任務外だ。

「タズナさん、私達だけじゃない!木の葉の里も騙してたんじゃないか!!これは重罪だよ!」

私はタズナさんを責めた。

「ナルトの治療ついでに帰るか。」

カカシ先生がそう言ってため息をついた。

「そうよ!この任務まだ早いわっ!」

サクラも帰りたいようだ。

そして、サスケは……黙っている。

当然だ。サスケが自分が今どの位置にいるのか、どこまで通用するのか、試したがっていることは知っている。

けれど、私は口を開いた。

「ねぇ、次来る敵はもっと強いかもしれない。それをなんとか受け流せたとしても、その次がもっと、もっと強かったら?このままじゃみんな死んじゃうかもしれないんだよ!?」

すると、ざくっという嫌な音がした。

見ると、静かだったはずのナルトが自分の手をクナイで刺していたのだ。

「!ナルト…!」

私はナルトの血を見て震えた。

「死ぬわよ!!」

サクラが驚愕する声を上げる。

ナルトは強い口調で言い切った。

「俺がこのクナイで、おっさんは守る。任務続行だ!」と。

だが、「出血多量で死ぬぞ」とカカシ先生に脅されてからは慌てふためいて困惑しはじめた。しかしやがてそれも静かになった。

「待って、そういえばこの本に治癒に関することが何か書いてあったはずだ…!」

私はリュックからおもむろに一冊の本を取り出した。

火影邸で見つけたもので、欲しいものがあれば持っていけという火影の言葉に甘えて持ってきたものだった。

それにしても私がこの本を選んだ時の火影の珍妙そうな顔は今でも覚えている。

私が本を開こうとするとすぐにそのページが出てきた。

「あった!これだ!切り傷、刺傷の治癒。まず流水で清潔にし…軟膏を塗って包帯を巻く…?」

私の声は次第に小さくなっていた。

「?何だ?それじゃ普通だってばよ。」

「ナルト、フツーじゃないわよ…!この本、何も書いてないわ。白紙よ。」

サクラがそう言ったので、私は驚いて本を見た。

字は変わらずそこにある。

私が首をかしげているとカカシ先生が言った。

「その本、火影様の所にあったやつでしょ?」

「うん。私が欲しいって言ったらくれたんだ。」

「ちょっと貸して。」

「良いけど…」

私が本を差し出した時、カカシ先生が額当てで隠していた目を露にした。

その目は、赤かった。

写輪眼の所有者→←二人の刺客、完



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Caesar(プロフ) - マスラさん» コメントありがとうございます!なかなか更新出来ないのですが応援してくださる方がいると思うととても嬉しいです! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
マスラ - とても面白いです!続き楽しみにしています。お忙しいとわ思いますが、更新頑張ってください!(*^_^*) (2018年11月6日 16時) (レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
Caesar(プロフ) - ありがとうございます!!学生なのであれこれ大変ですが更新がんばります! (2018年9月10日 7時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
ブラピ - 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2018年9月10日 3時) (レス) id: e896eb0a17 (このIDを非表示/違反報告)
Caesar(プロフ) - 深雪さん» コメントありがとうございます!!この所旅行に行ってて更新出来ませんでした。すいません!!頑張って進めるようにしますね! (2018年8月18日 19時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:julius | 作成日時:2018年1月1日 1時

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