【カゲプロ・ヒビヤ】勿忘草 Part1 (ページ40)

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リクトSIDE
無事、「蝉数えゲーム」も終わり、皆から拍手を貰った。

カンタが僕の耳元で、

「リクトは、アサミのお世話係宜しく。」

なんて言ってきた時には、アサミに聞こえてるんじゃないかと思ってヒヤヒヤして。

けど、本人は蝉とアイコンタクトをしていて、カンタの声は聞こえなかったらしい。

「あ！あんなところに雑貨屋さんがあるよっ！行ってみよっ！ねっ！」

カナエが結構お洒落そうな雑貨屋を指さして目をキラキラさせている。

「おお～！なかなか良さそうな雰囲気の店だね！皆、行ってみよーよ！」

ニカッと爽やかスマイルで皆に呼びかけるユウナの目にも、やはりキラキラが...ある。

「えー。ヤダ。」

カイトはベンチに座っていたいらしい。

もしくは、洒落た店に入るのに抵抗があるのかも知れない。

...まぁ、男が入るような店でもないよな...。

「アサミもあの店、行く？」

アサミは、何か考え事をしていたらしく、僕が訪ねてから数秒後に、

「...え、あ、あぁ、行く！」

と言った。

珍しい。考え事して、人の声が聞こえないなんて。

アサミは、カナエとユウナがいる方に走って行った。

そして、ヒヨリを誘った。

いやいやながらも、三人についていくヒヨリ。

結構優しいよね。きっと、なんだかんだ言って、あいつらの事、放っておけないんだろうな。