【カゲプロ・ヒビヤ】勿忘草 Part1 (ページ39)

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NO.39 ページ39

ヒビヤSIDE
喫茶店から出て、街を歩いている。

周りから見たら、小学生が都会をうろついているように見える。

それも一理あるけど、僕たちは今、ベンチを探しているんだ。

何でかって？そりゃあ、足が痛いからさ。

そろそろ休憩したいし。

立ちっぱなしは疲れるし。

「あちー！ベンチ...。」

かなりフラフラしながら歩いているカイト。

お前、大丈夫かよ。

「ベンチベンチベンチ...っあったー！公園だー！」

その途端、カイトが「バンザーイ！」と言いながら両腕を上に上げた。

つられてユウナとカナエも「バンザーイ！」と言って腕を上げる。

お前ら子供か。

あ、子供か。

ベンチに座って暑いなー、とか思ってたら、急にアサミがこんなことを言い出した。

「...蝉...。蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉ー！」

皆が「はぁっ！？」と言いながらアサミを見る。

「蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉蝉...。」

こんな事を言っているアサミが見ているものは...。

恐らく、木にとまっている蝉。

「...ねぇ、何してんのよ...。」

呆れつつもヒヨリがアサミに尋ねる。

「蝉、数えてるの！」

口調が変わり、満面の笑みの横本麻未氏。

皆、口を開けてポカンとしておくことしか出来なかった。

ただ一人、リクトはアサミの「蝉数えゲーム」を手伝っていた。

優しいな、リクトって。