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NO.23 ページ23

「ねぇ、Aさ、なんか私達に隠し事してない?」


「え?」


皆で円になって話してるんだけど、何故か、私の話題ばかり。


「…………例えば…………その髪のこととか。」


わっ、麻未ちゃん、感がいいね。


「…………皆に、言ってないこと、あるけど、隠してたわけじゃなくて......。」


「言いたくないんだったら、言わなくていいよ。

でも、隠し事はあまりしないで。」


響也君は、真剣な表情でそう言った。


「............…………分かりました。

私、皆に、言ってないこと全部言うから。」



「分かった。」


響也君は、表情を瞬時に変えて穏やかな表情になった。


「…………保育園の子と、幹太君は分かるかもしれないけど、私、いつも腕とか頬に痣とか切り傷あったでしょ。

それね、私が外国人みたいだからなんだって。

それで、保育園に行ったら、蹴られて、お弁当食べてたら、水かけられて、帰ろうとしたら、足に切り傷つけられてた。

で、ある日、ある人たちが、私が髪を切って、それを売り払えば、もう開放するって言ってくれたの。

そして、私は髪を切り、男の子みたいな髪型って言う訳。

まぁ、髪を売った金は、全部取られたけどね。

そのおかげで、そのある人たちはここから都会に行ったんだけどね。」


「そ、そんな…………。」

「ごめんね、日和ちゃんも、皆も、こんな話聞かせちゃって。」


「ごめん。A…………。」


「気にしないで下さい。

今気にするのは、私のことじゃなくって、授業のことだと思います。」


「あっ!じゅっ、授業忘れてたっ!」


香苗ちゃんが大声を出す。


「い、急いで戻るわよ!」


日和ちゃんを先頭にして、私達は階段を下り、全速力で廊下を走る。


途中、教室から、目を丸くした先生が見えたが、お構いなしに走る。



「ねぇ、A。

敬語、やめてくんない?」


いきなり話しかけられたので、転んでしまった。


「いたた…………うん、敬語は、少しずつ直すから、待ってて。」


「うん、待ってるよ。」



________でも、直せなかったらどうすればいいのかな。


最悪のパターンは考えちゃダメだ。




だけど、その最悪のパターンが現実になってしまった。





数日後


「えー、松下さんは、昨日をもって、引っ越しました。」



そう、先生が告げた日には、私は、この学校のこのクラスにはいない。


私がいるのは、家の前。


車に乗ろうとしたその時、ふと、響也君の声が聞こえた気がした。

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設定タグ:クッキー , カゲプロ , ヒビヤ   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:副団長・クッキー | 作者ホームページ:   
作成日時:2014年12月26日 22時

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