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医務室から自室へと向かう2人に黒服達が道を開ける。

黒服1「中井補佐!肩の傷の具合は如何ですか?」
「大丈夫そう。ありがとう。」
黒服2「中井補佐、机の上に頼まれていた紅茶の葉置いておきました」
「了解、助かる。ありがとう」

Aのポートマフィアでの人望は厚い。道を通れば皆が話しかけるし、心配する。
勿論、中原への挨拶も忘れていないが。

中原「手前、相変わらず人望厚いな。」
「そうですか?中原幹部、紅茶飲みにきます?」
中原「ああ、行く。」
黒服「中原幹部、部屋の外のBOXに書類入れておきました。お目通しよろしくお願いします。」

中原「ああ、ありがとな」
たくさんの人に話しかけられながらも道は滞ること無く、直ぐに部屋に着いた。

「…書類?」
中原「おう、なんか報告書と首領から預かった書類とやらだよ。」
「へぇ、なんの?」
中原「提携組んでる中組織」
「見ていいやつ?」
中原「ん。そこにあるだろ」
「ありがと」

Aは鍵番号を入力して鍵を開けた。
中から書類を取り出し、目を通した。

「ねえ…中也」
中原「ん?」
「肩の傷、治り遅いといいなぁ」
中原「如何したんだよ、手前。…あ。」

1ヶ月後の月末に忘れるなとでも言いたげな赤丸印。森の字で"ごめん"と書かれたその書類には、Aのドレスアップで首領との会合、中也のボディーガード付きと書かれていた。

「ドレス…着たことないし着たくもない…スーツじゃダメなの…」
中原「いいじゃねえか別に、俺との共同任務だぞ」
「違うよ?暴れたいって意味だよ?」

相手の首領の会合。それはきっと名ばかりのものであろうと考えるとそこから先は身の毛がよだつ。Aの頭には三文字の文字が浮かんでいた。

「あーあ…色仕掛か…」
中原「なんかいったか?」
「なにも。」

中原にはこの予測していることを言えない。
森はきっと私にしか伝わらないようにと言う意味を込めて書類にドレスと紅の口紅を任務上の格好で指摘してきているはずだ。

中原へ言えるはずがない。
言えば、忠誠心の高い中也でも首領に物申しに行くに決まっている。考えるだけで面倒であり、森の合理的最適解が崩れてしまう。

「ドレス選び行ってきてよ中也。」
中原「手前が行け。」

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作者名:テオ | 作成日時:2017年9月6日 20時

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