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中原「今でも、気にしてんのか」
「何を?」
とぼけるAに、中原は自らの首元を指した。
中原「爪痕だよ。大して気にする事は無ェぞ。俺だって手前が汚濁止める時に怪我させてンだろ。」
「私の異能で少しでも傷ついて欲しくなかったんだよ、唯それだけ。」
そう言うと、Aは視線を落とす。
Aは異能のコントロールが出来ていないことはない。寧ろ出来ている方である。
中原が手袋を外すと汚濁を使う合図であるのと同じように、Aは手袋を右だけ外すのが自らのスイッチにしている。詰まりは中原と同じようにコントロールも出来ているのだ。
中原「手前、コントロール出来んだろ。暴走したら何時でも止めてやるよ、気にすんじゃねえよ」
「…うん、ありがとう」
そう言ってAは儚く、笑った。
中原「…っ…手前、そんな顔すんなよ」
呆れた様な、苦しみを我慢しているかのような何とも言えない表情で笑うAの頭を
中原もまた同じような顔で優しく撫でた。
「中也、髪の毛クシャクシャなんですけど。」
中原「うるせえ黙って撫でられてろ。」
「本当に腹立つなぁ」
今度こそ、Aは綺麗に笑った。
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作者名:テオ | 作成日時:2017年9月6日 20時