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4 中也Side ページ5

芥川「中原幹部、Aが異能を使うから迎えに来て欲しいとのことです」
中原「解った、すぐ向う」

芥川から電話を貰ったのは幹部会議の終盤だった。
異能を使うのを以前よりも渋るようになったが、使わない訳ではないらしい。俺が行けない任務で俺を呼ぶのはそういう事だ。

森「Aちゃんかね?」
中原「ええ、そうです。異能使うから来てくれとのことです。」
森「今日は使わなくてもいい相手だと思っていたのだけれど…若しかして打たれたりしたかな…」

Aは打たれたり、残党が残っていて攻撃されると必ず異能を使う。Aの異能は辺りを暗闇に巻き込む。敵をなるべく見つけて仲間を守る為だそうだ。
実にAらしい。

殺戮特化型異能を仲間を守るための異能にしたがるA。
太宰がいなくなってからの安定に時を必要としたAは、いなくなって一発目の任務で異能を暴走させてしまった。
太宰がいないポートマフィアでAの異能を止めるのには相当の人間が犠牲になった。

________
中原「A!!止まれ、目ェ見ろ!
…ってェ、A!」
俺の首筋の頸動脈に障るか障らないかのスレスレに小さな爪痕が残った。

中原「チッ…A!こっち見ろ!俺だ、中也だ!」
A「!!ちゅ、うや…」
________

今となっては只の些細な爪痕だ。チョーカーで隠れる程度の小さな小さな跡は、Aにダメージ与えるには大きすぎる怪我であった。

中原「あの時の事を、忘れずにいるなンて」

Aは相当マフィアに向いてないですね、首領。俺はそう言葉を続けた。

森「でも、此処から出て行かなかったのは中原君のお陰だねぇ。」

そう言って笑うと、首領は行ってらっしゃいと俺を見送った。

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作者名:テオ | 作成日時:2017年9月6日 20時

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