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あの日太宰と会ってから数日が過ぎた。
情報部の調べによるとあの白髪の少年は噂の人喰い虎であった。
人喰い虎の詳細は彼の異能である月下獸によるものであったと判明。流れに流れた噂も此処ヨコハマで終わりを告げたのであった。
「そうだとしたら、あれが噂の虎標かな?」
芥川「なんだそれは。」
「んーん、何でもないよ」
今は芥川と共に首領部屋へと向かっている。
久々に呼び出しを受けたのだ。
「私、呼び出し久しぶりだなあ」
芥川「僕は先日も任務であり久しくなど無い」
「私の話だっつーの」
悪態をつきながら芥川と並んで歩く。
予想が付く任務であるため余り緊張はしていない。
芥川「闇市で中島敦という名の武装探偵社の人虎が70億だそうだ。」
「景気がいいねえ」
芥川でも知っているこの情報は、海外の組織の受け渡し希望の所為で有名である。
彼の捕獲に、知っているのであれば虎標に森 が手を下さないわけが無い。
「首領、中原中也幹部補佐中井Aです。芥川と同行しております。」
森「入り給え」
「失礼します」
重苦しい扉を開けて中に入ると相変わらず隣に金髪碧眼の幼女を構えた森がいた。
「エリス嬢、本日も可愛らしいお召し物をお着けですね。」
森「そうだろう?Aちゃんは目が肥えているねぇ」
森はニコニコとして何なら少々気持ちの悪い笑顔で答える。しかし次の瞬間には顔つきが変わった。
森「噂には聞いているだろう。70億の人虎を捕まえて捕獲。命は取るな」
「お言葉ですが、目標は武装探偵社にいます。並程度の者では捕まらないかと。あと彼は」
森「…Aちゃん物知りだね。どこで仕入れたのだい?」
森は全て分かっているとでも言いたげに目を細めた。虎標のことを知っているとは思えないが、少なくとも何かは有ると察している。
「いえ。特には。彼が70億であり海外組織が喉から手が出る程欲しいということしか知りません。」
森「まあいいよ。芥川くん、出来るね。Aちゃんをフォローに付けるよ」
芥川「重畳…承ります。」
続く
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作者名:テオ | 作成日時:2017年9月6日 20時