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「彼ですよね?このへんならあの辺に下に降りる階段がございますよ。ご案内します。」

国木田「有難いです。ご迷惑をお掛けします。」

ちょっとそこ迄だ。国木田を案内しながら顔を覚える。だが太宰には会いたくないのがAの本音である。

「ここですよ。」

国木田「ありがとうございます。ご迷惑をお掛けしました…。






…おい!唐変木!!何をしている!!!」

太宰「国木田くーん!」

太宰「彼に奢らせよう。少年何が…」

国木田「お前のせいで予定が崩れた。
ああ、お嬢さん。本当にすみません、お礼は後ほど…

ってどこに。。」

気がつくと先程まで居たはずのAがいなくなっていた。

太宰「どうかしたの?国木田くん」

国木田「お前を見つけてくれてな。階段まで案内して下さった時まで一緒にいた女性なのだが…帰られたようだ。」

太宰「私のことが分かったの?その女性」

国木田「?ああ、見かけたという感じだったが。」

国木田の言葉に太宰は首を傾げた。

自分は川の上流から流れてきていて女性とはすれ違って居ないのだ。

そして引き上げられたあとは道に上がっていないし蓬髪の男なんて沢山いるものだ。

更に、包帯などは橋のある遠さからは確認できない。

太宰「(会ったことあるといったらあの子位だけれど。)」

暫く考え込んだが確証が持てない。

考え込む太宰の思考を止めたのは白髪の少年、中島敦だった。

敦「太宰…?」
太宰「…ああ、私の名だよ。太宰、太宰治だ。」

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作者名:テオ | 作成日時:2017年9月6日 20時

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