14 中也Side ページ15
俺はホテルに着いたが最上階に案内されたと言うAの元へと急いでいた。
中原「糞っ!彼奴に色事は2度とさせねえ。」
解っていた。Aに抱く気持ちが何なのか。色事をすると決まったとき、どうしようも無い感情が流れてきた。
流れるGPSからは会話も聞こえている。
聞こえにくい原因のノイズに紛れて聞こえたのは志賀直哉の声。
「毒」そして「接吻」。
中原「Aにしていいもんじゃねえんだよっ!」
後にも先にも俺だ、と欲望に掻き立てられる。
ただ、ひたすらに階段を駆け上がった。
重力で身を軽くすることはしていても最上階は時間がかかる。
中原「A!!!」
着いた頃、いまにも唇と唇が触れそうな、そんな時だった。
「中也!そいつと目を合わすなっ!!」
中原「はあ!?…ちっ、わーったよ!」
志賀直哉は細い。太宰と同じくらいだろうか、と俺は計算した。
とりあえず触れなければベクトルは操れない。
まず、始めの1発志賀に当てた。
中原「初めまして、の挨拶は必要かァ?志賀直哉__。」
志賀「いや、必要としていない。君が来るのは想定外だ。案外早いものだね。下の部下も全ていたはず…。誰の知恵を借りたんだ…!」
中原「手前の部下は丁寧に葬った。早く吐け。」
志賀「何を」
中原「Aにかけた異能の解除方法だ。」
中原の目は殺気立っていた。周りの壁がミシミシと音を立てる。志賀にも殺気は伝わっているのか志賀も動けた状態ではない。
志賀「僕が、死ぬまで無理だな!それは!
だがポートマフィアは僕がいなくなるのは痛いはずだ!」
「否、そんな訳ないでしょ。ポートマフィアはもう貴方の力など必要無いし、貴方と同盟関係の相手の組織も今頃ポートマフィア屈指の暗殺部隊に潰されている。下も既に掃除屋が来てる勿論_______
貴方の死体の掃除屋。」
Aは志賀が嫌がるであろう単語を次々と並べた。精神的苦痛のポイントを短時間で見極め、次々と攻撃していく。
「いいじゃん、アンタの所業は聞いてる。部下の扱い方も何もかも。本当に死ねばいい。」
中原「…言い残すことは」
志賀「いつか、誰かが君を殺す。君を恨む人は沢山いる。君を欲しい人もいる。其れの期待に潰されて死ねばいい。」
「ご忠告どうも。どうぞ、中也。」
身体全てが潰される音がして志賀は死んだ。
「…期待に潰されて死ねばいい、か」
Aは一言呟いた。
異能が解けても緊張状態から突然解けた身体の動かし方が分からず、寝転んだままだった。
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作者名:テオ | 作成日時:2017年9月6日 20時