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その頃Aは志賀直哉とあるホテルに来ていた。
「(それにしてもイケメンなのに勿体無い。殺すのか)」
腕を志賀直哉と組めていることに余裕のあるAは感慨深いものを感じていた。これから先、志賀直哉程のイケメンと組むことなどないだろうし出会うこともないだろう。
「(嗚呼、でも中也は中々格好良いよね。太宰さんも顔は綺麗だったけどタイプじゃないなあ)」
志賀は太宰寄りだろうな、と年相応の物思いに耽っていると志賀が話しかけた。
志賀「考え事ですか?」
「あ、いえ。。志賀様の顔がお綺麗でつい。こんなに綺麗な方と腕を組むことなどこの先無いだろうなと…」
ふと、志賀と目が合った。
「(…汚れた瞳ね。)」
中也はあんなに綺麗な青なのに。とまた中也のことが頭から離れなくなっていた。
そのときだった。
ガクッとAの体は動かなくなり仰向けに地面に倒れた。
「いっ、た…。なにをするんですか」
志賀「流石のポートマフィアも僕の異能は見破れなかったのか。
僕の異能は目を合わせた相手を動けなくするもの。
そしていま、俺の唇には毒薬が仕込んである。俺は裏社会一の美女と接吻でき、ポートマフィア…否、
中原中也の補佐のお前を殺せる。」
幸せだ、と志賀直哉は天を仰ぐ。
完全に油断してきたAは唇を守る術もない。ましてや此処はホテル最上階の人気のない廊下だ。叫んでも気付かれない。
しかし、まだ希望はある、と確信していた。
「残念ながらファーストではない」
クスクスと笑いながらAは告げた。
志賀「なんだっていいよ。君を殺すことはポートマフィアの異能者を一人減らすことに成功する。」
志賀直哉はそう言って笑い、唇を近づけようとする。
死ぬ、とかそれ以前に志賀直哉に接吻されるのが嫌であった。
「最期の接吻がお前でいいなんてだれも言ってない」
口から、意図も簡単に言葉が滑り落ちる。
「後にも先にも
私が無抵抗の口付けは彼奴だけ。」
「(早く間に合って、中也のチビ。)」
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作者名:テオ | 作成日時:2017年9月6日 20時