泡沫少女の泡沫ノ恋。【練紅覇】

番外編�供�*夏祭り*。-九年前- ページ35

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紅覇と古時計前から離れると、不意に自分の姿を見て思いつき、くるっ と紅覇の方向を向く。


「紅覇の髪色とおんなじ色の着物だよー」


なーんて言って、片足を軸にしてくるんってその場で一回転してみた。


いつもとは違う、少しフリルの多い、薄い紅色のドレス着物のスカートの裾が

ふんわりと宙に浮いた。


そんな私を見た紅覇は、ちょっと俯いた。

紅覇、少し頬を赤く染めながら、言った。



「･･･可愛い」



その言葉を聞いて、すっかり嬉しくなっちゃった。

でも少し恥ずかしくて、しばらくの間は紅覇のお顔を直視できなかったけどね･･･。



*



「ほら、林檎飴だよ。落とさないように気をつけて食べてねー」


林檎飴の屋台のおじさんが林檎飴を紅覇の綺麗な手にそっと渡す。

紅覇は林檎飴と引換に、屋台のおじさんに紅炎様から貰っているお小遣いの中から

100円を取り出すと、渡した。


そして、ゆっくりと屋台から離れる。



人と関わると、より無愛想になってしまう私は

紅覇の行動を待ち合わせ場所にしていた古時計にもたれかかってじっと眺めていた。


紅覇は愛想良さそうにおじさんににっこりと笑いかけて、「ありがとう」と言うと

屋台から離れて、私の居場所をきょろきょろと頭を動かして探した。



「ああ･･･そうやって"あいそ"よく接したらいいのか･･･。･･･えがお･･･」

「あ、そういえば私、紅覇に"待っとく"しかいってないから紅覇、

　私のいばしょわからないんだった･･･」






「って･･･あれ? 紅覇、どこ?」





紅覇のもとへ行こうと足を動かした途端、さっきまで目の前にいた紅覇が

いなくなっていることに気づき、足を止める。



「あ･･･あれ? あれ? 紅覇? こう･･･は･･･?!」


あれ･･･もしかしてはぐれちゃった?

私、迷子?



「ひとりぼっち、やだ･･･やだよぉ･･･。こうはぁ･･･ ひとり、やだぁ･･･」


自分が

『ひとりぼっち』

になってしまったと気づき、焦った。

と同時に、胸が きゅぅ って痛くなる。

目元がひりひりしてくる。



―気づけば涙が出ていた。



色とりどりに輝き―煌く屋台。


この何処かに、紅覇がいる。

大好きな、大好きな、紅覇が。


勇気を振り絞り、震える足を精一杯に動かして、紅覇を探しに行こうとした。









―が


その途端、何者かに両手首を掴まれてしまい、身動きがとれなくなった。



「―っ?!」


驚いて、声が出なくなる。

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あずきいろ

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