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第弐拾夜・「問いかけ」 ページ22

―――――――

――――

――


「・・・・・・なぁ、A」


それは、ジュダルさんが私が閉じ込められている部屋に住むようになってから

2週間後くらいの夜のこと。

ジュダルさんは私に疑問を問いかけた。


「こんなところに毎日閉じ込められて、淋しくないのか? 辛くないのか?」


ジュダルさんは床にちょこんと座りながら、ベッドに座っている私を真っ直ぐに見た。


私は鬼灯色の提灯を膝の上に置き、問いかけに答えた。


「そりゃあ・・・寂しいし、辛いです。九年間の間、一度も紅覇に会っていないんですよ?」



そう言って、鬼灯色の提灯にゆらゆらと照らされるジュダルさんを見る。

するとジュダルさんは「むぅ」と言って、不機嫌そうに、少しだけ頬を膨らませた。




「また紅覇かよ」

「""また""って・・・。だって私、紅覇が好きなんですから仕方ないじゃないですか」

「はぁ・・・。もう、紅覇紅覇うっせぇな・・・・・・・」




そう小さく呟いたジュダルさんはゆらりと立ち上がった。

突然のことに驚いて、体がびくんと震える。

そのままジュダルさんは私に近寄り、鬼灯色に儚く輝く提灯の電源を切った。



プツン・・・と音を立てて切れた提灯。



今は夜。

カーテンの隙間から見える夜空には、月も星も雲に隠れていて、

窓から入ってくる明かりはない。




―真っ暗な闇に訪れる静寂。―




どくんどくんと脈打つ心臓の音が大きくて、その音にさえもびくびくしてしまう。


そういえば、私・・・・・・――!



「ひゃぁっ!!!」



何か冷たいものが太ももにあたって、驚く。

それと同時に体もびくんと大きくはねる。


左手首がおそらくジュダルさんに掴まれ、そのまま身動きがとれなくなり

ベッドへと押し倒された。


「さっきの声・・・可愛かった」


不意に、耳元にほとんど吐息のようなジュダルさんの声がかかる。

その息がくすぐったくて―暗闇だからか、余計に敏感になってしまう。


「ひゃっ・・・・・・やめ・・・! っ・・・どこ触って・・・?!・・・」


体中をジュダルさんの冷たい手で触られ、おそらく舐められ、

恥ずかしくなり抵抗しようとするが、ジュダルさんの力が強くてできない。


それに、体中が痺れて力が入らない。



「やめて・・・やめてください・・・!」



暗闇の中、無駄な抵抗をしながら声を出す。

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ラッキーカラー

あずきいろ


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玲琉.(プロフ) - ゆーかさん» 最初から見直してくれたの?!有難うー♪これからも頑張るね! (2014年3月30日 13時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか - 玲琉.さん» 最初から見直したよ~!文字うちながら涙が。゚(゚´Д`゚)゚。これからも頑張ってねヾ(≧∇≦) (2014年3月30日 12時) (レス) id: d9ee154cee (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - 一花さん» はじめまして!心情描写は一番気にかけて書いているものなんですよー(/ω\*)引き込まれただなんて・・・!応援してくださるなんて・・・!素敵だなんて・・・!私には勿体無いお言葉ですが凄く凄く嬉しいです!!続編も頑張りますね! (2014年3月16日 11時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - はじめまして。心情描写が丁寧で、引き込まれ、一気に読ませて頂きました。凄く……凄く……紅覇様の想いに心を打たれまして……主人公ちゃんとの仲を応援したいと思いました。続編も楽しみにしています! 素敵な作品に出会えたことに感謝をこめて。失礼いたします。 (2014年3月15日 1時) (レス) id: aa8e4f9320 (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - 紅凛檎さん» きゃー!!来てくれてありがとう!!感想聞かせてほしかったんだよねー♪いつも見てくれてるとか、感動的とか・・・もう嬉しすぎるっ!!応援もしてくれてありがとう!!続編頑張るね〜(`・ω・´) (2014年3月13日 17時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玲琉. | 作成日時:2013年12月8日 15時

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