最近、俺の幼馴染みが冷たい【赤司征十郎】

MerryX'mas ページ33

「征十郎くんいらっしゃい〜」








「おぉ〜大きくなったなぁ！






Aが成長しないもんで征十郎くん成長がはっきりわかるよ」






「そんなことないしッ！」







「ありがとうございます」







今日はクリスマス








うちに征ちゃんがお泊まりしにきた









『来年は中学生だし、征ちゃんは多分部活に入るから一緒にいることもなくなっちゃうな』







なんて一人ごとをまんまと親に聞かれてしまい、なぜか企画されたお泊まり会







身長をバカにされながらも征ちゃんをうるさい親から引き剥がして部屋へ









「相変わらずにぎやかだね」









「うるさすぎて困らない？」








私が聞くと征ちゃんは首をふって、「むしろ羨ましいよ」と呟く







「オレはほとんど家に一人だからな」







「クリスマスだけじゃなくてもうここに住んじゃえば？」







わりと真剣に提案したつもりだけど、征ちゃんはニッコリ笑って「考えとく」と言った








「あのねー、征ちゃん来るから毛布もう一枚出してもらった」








「それはありがたい」






征ちゃんを部屋に入れて座らせると、私が机から細く切られた折り紙をだす








「なにするの？」






「輪飾り作るの！クリスマスの飾りつけ







あとでツリーの飾りつけもするって」







「そうか。それは楽しみ」








征ちゃんの笑顔を見て、私はちょっと違和感を感じた








「……征ちゃん、ホントに楽しみなの？」







「楽しみだけど」







嘘、全然そう見えない







「だってあんま嬉しそうじゃないもん」







私がふてくされたのを感じてか征ちゃんは何も言わなかった









後々思うに、あれは征ちゃんの笑顔だ








家でありとあらゆる教育をこなす征ちゃんは、私の知らぬうちにずいぶん大人びてきたようだ









あれは、征ちゃんの大人の笑顔だ








それをわかってあげられない私は子供であり





と同時に幼馴染み失格だな、ということを思い知った

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