創設期 第三十三話 ページ45
晴れ渡る青く透き通る空。
吐く息は少し白くなり煙る。
化粧はいつもより濃く、丁寧に塗られ、鏡に映る自分が変わったみたい。
服はいつもみたいに白い洋服でなく黒い黒無垢姿。
羽織はないから少しの寒いけど、緊張しているのもあるから体があまり動かない。
がちゃり、と扉が静かに開いて現れる方が今日から私の夫になる殿方。
彼は入り口に突っ立って石化している。
A「…似合わないのくらい知ってるし…」
すると彼はこちらに帰ってきたのか生気を取り戻した様に見えた。
彼の顔は生憎私の黒無垢で顔が隠れて見えない。
大股でこちらに歩み寄る彼に私はどうしていいかわからない。
すると彼は顔を抑えて目があった。
写輪眼とはまた違う美しい赤い瞳。
扉「綺麗だ…としか言えんな…」
彼…扉間はそう呟いた。
すると今日はなぜか涙腺が緩んでいるのか一筋の涙が頬を伝う。
扉「どうした？」
幸せだ。
私は幸せになれないとばかり思ってた。
好きな人とこんなことできると思ってなかった。
でも、それでいいと思ってた。
それが私の罪だと思ってたから。
だから…
A「幸せ過ぎて…」
すると扉間が手をぎゅっと握って、私を抱きしめた。
扉「ワシもだ。お前がワシのものになってくれて、幸せだ」
扉間の礼服から伝わる暖かい温度がとても落ち着く。
「「A大丈夫かぁぁぁぁ？！」」
扉が少し外れているくらいの力でこの部屋に入ってきた私のお兄ちゃん。
マ「？！！(´⊙o⊙`)」
イ「なに、人ん家の妹になに晒してくれとんじゃ、このアルビノ卑劣野郎がぁぁぁぁぁ！！」
乱闘一歩手前の騒ぎの中
柱「仲良しだのぅ！オレも混ぜて欲しいぞ」
ミ「あら、千手家に素敵な家族が増えましたわね、柱間様」
このほんわかな空気を醸し出し、この乱闘を確実に何かの祭りと勘違いしてやってきた。
何やってんだか…
と、一人心の中で呟いて、ため息をつく。
でもこの空気さえも幸せで、こんな風にうちはと千手がバカ騒ぎができることなんて昔の私なら信じられないだろう。
それくらいにみんな仲良くなっている。
殺伐とではなく、騒がしくも明るいこの雰囲気。
心がとてもポカポカとして太陽みたいに暖かい。
私が‘“うちはA”として名乗れるのはもう後何時間かで終わってしまう。
それが別に悲しくないのはきっと
扉間のおかげだね…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 92人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マキラ - 私の二番目の推しキャラだったから読んだけど扉間の告白にマジ惚れた//// (2019年5月18日 3時) (
レス) id: 02a5017c6d (このIDを非表示/違反報告)
るんるん - とても面白いです!!更新頑張ってください^o^扉間様どこにマーキングしたのかすごい気になる!!!笑 (2016年6月7日 14時) (レス) id: a241f8e5b8 (このIDを非表示/違反報告)
乙女☆スピカ(プロフ) - ヒョウレンさん» ありがとうございます！あと、出来たらこれからもよろしくお願いします！！出来たらあの両者には誰からも爆ぜろ！という関係にしてあげたいです… (2016年4月16日 18時) (レス) id: 3800ffa48e (このIDを非表示/違反報告)
ヒョウレン - いつも、楽しく読ませて頂いてます！ 夢主ちゃんと扉間様の話の続きが気になってます！ (2016年4月7日 3時) (レス) id: 1420eac17a (このIDを非表示/違反報告)
乙女☆スピカ(プロフ) - りんごさん» いえいえ！大丈夫ですよ！てゆうか、この作品を忘れていなくて未だ付き合ってくれていること自体に感謝です！！いつもコメントありがとうございます、りんご様！ (2015年12月18日 22時) (レス) id: 3800ffa48e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：乙女☆スピカ | 作成日時：2015年10月29日 19時
