帰国子女 ページ19
｢あ、気づいた？｣
｢え…ぁ…あったまいて…｣
｢軽い脳震盪だからしばらく安静にしてて｣
目が覚めると白い天井とマネージャー(仮)の顔が写った
｢…なんでいるんスか｣
｢はぁ…仮にもマネージャーだよ？｣
｢…俺もう戻るんで｣
ズクズクと痛む頭を抑えて起き上がりバッシュを履こうとした
｢っ！？｣
額に冷たいものを感じいきなりすぎて退いた
｢あほなの？軽い脳震盪つったでしょーが。じっとしてなさい｣
ほらと言われて渡された水の入ったペットボトル
｢…すか…｣
｢え？｣
｢そんな2人っきりでいたいんスか？そんなにモデルの肩書きがほしいんスか？！｣
静かだった保健室に俺の声が響き渡った
｢…君が何をそんなに警戒してるか知らないけど…まず言わせて。君…モデルだったん？｣←
｢…は？｣
｢いや、モデルの肩書きがどーのこーのって言ってたから…｣
｢…白々しい｣
｢うん。そかそか。わかった。｣
｢なにがすか｣
｢私出ていくから。安心してしっかり休んで。けど戻ってきたら保健室に連れ戻すから｣
ちゃんと水分摂ってね
そう言い残し本当に出ていった
｢…あれも演技…のはずっスよ…｣
そう言って渡された水を見た
ペットボトルの周りは水滴で濡れていて結構前に買ったことがわかった
その間ずっと傍にいてくれた？
その時ガラガラと扉の開く音がした
｢っ…！あ…！｣
マネージャーかと思って声をかけようとした
｢あら？黄瀬くん起きたの？｣
保健室の先生だった
｢あ、はい｣
返事をすると辺りを見渡しながら
｢あれ？転校生の子どっか行っちゃったの？｣
｢え？転校生？｣
思いがけないキーワードに反応してしまった
｢あ、黄瀬くん1年生だからわかんないか。貴方に付き添ってた女の子2年生から編入してきたのよ｣
｢あ、そうなんスね…｣
｢帰国子女ってなんかかっこいいわよねぇ｣
｢え？帰国子女？｣
｢そうアメリカ帰り｣
アメリカにいた？
ってことはあの人の言ってたことは本当
『私、あなたのこと知らないから』
一気に顔が熱くなるのを感じた
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作者名：レオ | 作成日時：2014年5月19日 23時
