【イナGO】迷える子羊を愛せよ上【天使と悪魔パロ】 (ページ18)

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　家に帰ると、天馬が一人ソファに座っていた。剣城は昨日から家を空けているため、夕食は自分で作るか、買うかしなければならない。
　しかし、私は夕食の準備よりも先にしなければならないことがあった。

「天馬、ちょっといい？」

　病院に行った日から、私と天馬は家にいる時間があまり合わず、きちんとした会話を交わしていない。私はあの日、帰り際に雑な態度をとってしまったこともあって、天馬と話すのは少しだけ気まずかった。
　しかし、天馬のほうは特に気にしていないのか、動画を一旦止めて私のほうに向き直った。

「今から、病院に連れて行ってくれない？」

　天馬はきょとんとした表情で私を見つめた。タブレットを閉じて机に置き、立ち上がる。

「どこか怪我したの？」
「えっ？ ――あ、ううん。してないよ」

　私は慌てて顔を横に振った。確かに、今の言い方だと誤解を招いてしまう。

「じゃあ、どうして？」
「ちょっと気になることがあって……ダメかな？」
「いいけど……A、羽で移動するのは苦手じゃなかった？」
「うん。でも、その……急ぎだから。あと、また看護師の制服に変えてくれると嬉しいな」
「わかった。いいよ」

　天馬は私の手を取った。これから訪れる衝撃に備え、私はぎゅっと目を瞑った。