７人の特急列車と一般人な私。 (ページ46)

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＜カイSIDE＞

お風呂場からAが出てくる。

『カイ、お風呂ありがとう！』

2「髪の毛濡れてるよ？
乾かしてあげるからおいで」

『いいよ、自分で乾かせるよ？
子供じゃないんだし…』

2「いいの、ほら座って」

Aをイスに座らせて、
ドライヤーで髪を乾かしてあげる。

サラサラで、少しパーマがかかって
ふわふわしてる。

髪の毛から香るシャンプーの匂い。
今日は俺の匂いと同じなんだな…

…何考えてんだ俺。変態みてーじゃん。

『カイ、乾かしてくれてありがとう！』

2「どういたしまして」

Aはお礼を言うと、正座をして
俺の方を向いた。

『あと、昨日は助けてくれて、泊めてくれて、
一緒に遅くまで起きてくれて、
シャワーまで貸してくれて…ありがとう。』

2「どうしたの、改まっちゃって」

『ちゃんとお礼言ってなかったなって。
カイがあの時電話かけてくれなかったら
今頃私、まだ泣いてたかも！』

Aの目には涙が溜まっている
ように見えた。

怖かったんだな。

それでも、溜めた涙を流さないように
堪えてるのが伝わってくる。

2「A」

『うん？』

2「泣いていいよ？」

『うぅぅ…カイぃぃぃ…
せっかく我慢じでだのにぃ…』

張り詰めた線が切れたかのように、
Aの目からポロポロと涙が溢れた。

2「よしよし、怖かったな」

『ふぇ～～～っ(泣』

落ち着くまで、さらさらの髪の
Aの頭を撫で続けた。

2「あっやべ」

『どしたの？』

2「レッスン間に合わね」

『えっ!!??何時から!?』

2「ま、いっか」

『よくないって!!!!!』