【東京喰種】君を守りたい。「金木研」 Ⅱ (ページ19)

今日:26 hit、昨日:9 hit、合計:36,017 hit

悲劇63話ページ19

Aside

ヒナミちゃんの母を狙った、
喰種捜査官二人は何も知らずにこちらの方へ向かってくる。

こんなのただの悪循環ではないのか。

殺して、殺されて。

それの繰り返し、一方が正義を振りかざしてしまっている。

それが世界。

草場「〝ひたむきな人ほど、命を落とす〟かぁ…。

頑張るのも、ほどほどにした方がいいんですかねぇ…。」

中島「アホ言うな。仕事は山ほどあるんだ。

他の区よりかは少ないけどな。」

「それも本局の人が、パパっと解決してくれればいいのに。」

「そういってるうちは、いつまでたっても、支部の平だよ。

俺もお前も。」

「亜門さんは出世とか、興味なさそうでしたよね。純粋な正義感だけで動いてる感じで…」

「ぁぁそんな感じするな。」

「正直、凄いと思いました。」

純粋な、正義感…。

彼には、あの二人にはそう見えているのだろう。

喰種の私たちには、悪にしか見えないのだが。

多分な。

お互いに知るべきなんだよな。

なんて……。

きっと私も、こんな体になるまでは、考えもしなかった、見もしなかった。

上から目線に言えるような奴じゃないな…。

「本局の人間と自分を比べても、しょうがないぞ、草場ぁ。」

「はは。実は僕、デスクワーク希望だったんですよ。そっちの方が、楽だし安全だし。
でも彼を見ていると、こっちまで胸が熱くなるような。…もっと現場で、頑張ってみようと…」

気が付けば、トーカちゃんは攻撃を仕掛けに行っていた。

喰種と化したトーカちゃんは、素早く捜査官草場の顔を斜めに切った。

ｽﾊﾟｧﾝ…!!!!！！

その音とともに、血しぶきが舞う。

後ろで話していた男性は、
彼の名を呼び、目を見開く。

「テメェ……!!!! 」

すかさず、トーカちゃんは攻撃を仕掛けるが、

亜門さんによって、さえぎられた。

「中島さんッ！下がって！！！」

ゆらりと立ち上がり、ラビット(トーカちゃん)は、

また、殺しにかかろうとしていた。

はたして
僕は、見ているだけで、いいのだろうか。