。悪いのは ページ13
ガラリと戸を開ける音。
ただいまと言う声。
久々にお家に上がらせてもらったな。
本当に、申し訳ない事をしたと痛感せざるを得なかった。
懐かしいなと思いながら階段を上り、二階へ行く。
そこには私と同じような体勢で、体育座りをしたカラ松が。
「おいカラ松。
お前の1番会いたい人が居るぞ。
顔を上げろ。」
呼びかけるが。
「……居るわけないだろう。」
「お兄ちゃん嘘ついた事ある?!
見て損はしないからさぁ!!」
いや、沢山あるだろ。
と緑色の方が呟いていたが、今言ってはいけないことである。
そして“見て損はしない”って、得もしないのか。
なんか哀しい。
すると、カラ松が顔を上げた。
腫れた目の中の瞳でまっすぐ私を捉える。
目を見開いていたが、無言だった。
無言に耐えきれなくなり、私が口を開いた。
焦って言い訳でもするみたいに_
「あっ………
その、話がしたくて。
聞いてくれる、かな。」
「……あぁ。」
戸惑いながらも、頷くカラ松を見て話し始めた。
話し終わると、カラ松は元から潤んでいた目にさらに涙を溜めていた。
「うぅっ……
ごめんな……
色々と先走った……
辛いの俺だけじゃなかったのに……
自分の事しか、考えてなくて……」
そんなこと、ない。
どっちも悪かったんだ。
いや、どっちが悪かったとかじゃない。
どっちも悪くないんだ。
ただ、勘違いの幅が広くなっちゃっただけ。
「おいクソ松。いい加減泣き止め。
見苦しいんだよ、いい大人がっ。」
バシッと背中を叩かれると、
カラ松は一瞬唖然としたけれども、すぐに何時もの調子で笑った。
自信に満ち溢れたような、優しさで一杯のような
「ふっ、じゃあ俺に言わせてくれ。」
いきなりそんなことを言うものだから、私達の頭には
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作者名:イチゴミルクティ。 | 作成日時:2021年1月13日 21時