もう、終わりにしようよ。 ページ8
「……っ、ごめん、ごめんね。…でも、俺がAを好きってことから目を背けないで。ちゃんと考えてほしいんだ」
苦しそうにそう言って、凛月は私に背を向けた。
『私は、……っ』
駄目だ。何を言えば凛月の苦しさを拭ってあげられるのか私にはわからない。
だって、彼が苦しいんでいるのは私のせいなんだ。
私が真緒のことを好きだって気づいていたのに、凛月は私に告白した。
そんなのもう今まで通りじゃ居られない。
……違う。
私達の誰かが誰かを好きになってしまった時点で、もうその瞬間から私が守りたかった3人の関係は、歪んでしまっていたんだ。
『……凛月は、どうしたいの？私にどうしてほしい？』
私と付き合いたい……？
それとも、真緒のことを好きだと認めて、凛月のこともきちんと考えて……そうして、振られて終わりにしたい？
どちらも、違う気がした。
「……ふふっ。そんなの決まってるでしょ」
凛月が振り返る。
「俺はただ、Aの一番になりたいだけだよ」
そう微笑む彼は、やっぱりまだ少し苦しげで私の胸はぎゅっと締め付けられるように痛んだ。
「そういうAこそ、どうしたいの？俺を振って、ま〜くんと付き合いたい？」
『……そんなわけないよ』
｢どうして？ま〜くんのこと好きなんでしょ？｣
『っ、そうだけど……！でも、凛月を傷つけてまで付き合いたいわけじゃないから』
｢なんで？｣
心底不思議そうに凛月は首を傾げた。
本当に私の言葉が分からないというようにきょとんとした顔で私を見つめる凛月に、私は混乱する。
｢だって、俺はもう充分傷ついたよ。今更、Aがま〜くんに告白したぐらいじゃ俺はなんともないから｣
『……そんなわけないでしょ』
｢うん。本当は嫌だけど、でも前に進まなきゃ。俺は、このままが一番嫌だから｣
『凛月…』
凛月はきっと、終わりにしたいんだ。
私が縋って、本当の気持ちを隠して、嘘をついて守ってきた関係が、凛月を苦しめていたことに私は今まで気づけなかった。
……全部知っていたのに、それでも今まで我慢していてくれた凛月は、どれほど私を想ってくれているの？
『ごめんね、凛月。私、ずっと真緒のことが好きなの』
「……うん。知ってたよ」
『私、真緒に告白しようと思う』
｢っ……。うん｣
だから、そんな人に悲しい顔をさせてしまうのが本当に申し訳なくて堪らない。
『……こんな私の事、好きになってくれてありがとう。凛月』
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安城(プロフ) - 恋乃さん» コメントありがとうございます！無理のない範囲で更新頑張りますので、またお暇な時にでも読みに来てやってくださると嬉しいですー！ (2021年3月27日 19時) (
レス) id: 6990b31a24 (このIDを非表示/違反報告)
恋乃 - この作品物凄く好きです凛月がどうやって付き合うのか気になります無理せずに頑張って下さい応援しています (2021年3月26日 23時) (レス) id: 0410a23887 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：安城 | 作成日時：2021年3月23日 19時
