扱い酷くないですか皆さん【文豪ストレイドッグス】

ツンデレ21 ページ21

谷崎君に云われスカァトを履いたその日は、買い出しが本当に無かった。

途中で遊びに来た乱歩さんでさえも自分で駄菓子を買って来ていた。

次の日ズボンに戻ったら案の定買いに行かされた為、偶にスカァトにしようと思った。

「スカァトって凄い……」

何だか賢治君の口癖？の“都会って凄い！”みたいになっちゃった。

私も田舎から出てきた人間の一人だから気持ちは判るけどね。

最初の頃はそうだったなぁ。

「そう云えば」

ふと思い、私は或る人物の元へ行く。

心中莫迦の彼奴だ。

「太宰君って、何で女子では私だけ呼び捨てなの？」

「女子？今女子って云った？」

………厭な予感がする。

矢っ張り何でも無い、と云う前に爆笑され、バシバシ背中を叩かれる。痛い。

太宰君から距離を取り、むすっと見詰める。

「あー笑った笑った」

「笑われたね。もう良いよ答えなくて」

「まぁ待ち給えよ。君は特別扱いなんだ」

肩を掴まれ引き戻される。

太宰君の整った顔が近くにあり吃驚したが、どうせ嫌がらせだし、如何でも良いか。

「そう、君は特別。なんたって」

「皆まで云うな」

「君はゴリラだからね！」

「云うなって云ったのに云った。独歩君、太宰君に良い耳鼻科紹介してあげて」

はーい、何となくその返答は予想してましたー。

其なのに聞いた私が莫迦でしたね、はーい。

「ん？如何したんですか、与謝野女医？」

くるりと振り向いた太宰君の顔に何も云わずに一発食らわす与謝野さん。

何だろう。怒ってる。

「黙って聞いてりゃ云って呉れるじゃないか。え？太宰」

「え、あの、与謝野さ」

「良いかイ？柚は妾の大事な後輩だよ。幾らアンタ達でも最近は目に余る。いい加減にしな！」

……如何しよう私の先輩が物凄く格好良い。

私は嬉しさで火照る顔を覆った。

「太宰」

ループタイを引っ張って耳許で何かを囁いた与謝野さんの言葉で太宰君が一瞬驚いた様な顔をする。

その後、苦虫を噛み潰したような顔をして、小声で私に云った。

「…柚を特別扱いしてるって云うのは、嘘じゃないよ。他の皆も」

与謝野さんが“面倒臭いねェアンタ達は本当”と笑っていた。









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『偶には柚に素直な言葉掛けてやんな。ポートマフィアの狼共に負けちまうよ』

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