ツンデレ22 ページ22
何だか、少しだけ太宰君が優しくなった。
与謝野さんに云われた事が関係しているのかと思って何度か聞いてみたけれど、何も云われていないの一点張り。
「柚、お菓子」
「はいはい。何が良いですか?」
「んーと、取り敢えずこの紙に書いたやつ全部。勿論君のお金でね!」
もう一度“はいはい”と云い乍いつもの様に財布を鞄に入れ出る準備をする。
ついでに自分の購い物もしようと思ったからだ。
「あー、柚。ゴリラの癖にどうせ腕の力無いんでしょ。私も行ってあげる」
「別に良いよ。持てる量だし」
「良いの。私も行く」
「はいはい。判った判った。勝手にして」
さっさと済ませて事務仕事もしなければいけない。
私は太宰君を待たず社を出た。
「置いて行くなんて酷いじゃないか」
「遅いのが悪い。早く行くよ」
「ゴリラ様の仰せの侭に」
クスクスと揶揄う様に云う太宰君を一睨みした後に駄菓子屋に着いた。
頼まれた物を購い(自腹)、先に社に戻って貰う様に云う。
「仕事したくないし付いて行く〜」
真逆のサボり。
私はサボりの良い言い訳……?!
私はサボりたくなくても行かされるのに?!
如何しよう殴って良いかな。
太宰君の顔面に私の拳をハウスさせても良いかな。
「……はいはい」
「まぁ荷物持ち位ならしてあげる」
「そんなんしてたら私が太宰君過激派の女の子に刺されるんだって判ってよ心中大好き包帯無駄遣い装置の青鯖」
太宰君から表情が消えた。
肩を掴まれる。
その余りの力の強さに、思わず顔を歪めてしまった。
「何処でその呼び名を聞いたの。青鯖って何?」
「え、友達に二年前聞いたんだけど」
「其ってどんな奴?真逆中也じゃ無いよね?」
「その真逆だけど?そんなの別に良いから早く行こ。私残業にはなりたくないんだから」
太宰君は、未だに離して呉れない。
下を向いた侭黙っていて、私にはその蓬髪しか見えない。
「太宰君離して呉れないと私が動けない」
「……え」
「え?」
「あの蛞蝓は止め給え、彼と関わるのは、本当に」
何時になく真剣な顔。
職業を心配しての事だろうか。
其なら知ってるから別に良いのに。
「中也君達なら二年前から知ってるし職業も知ってるから別に気にしないけど?危険なのは知ってる」
やっと離して呉れた。
矢張り探偵社がマフィアと友人になるのはタブーだったのだろうか。
辞めさせられはしないかと不安になった。
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かりんとう(プロフ) - あ、あ、あんこおおおおおおおお!!!読んでる途中だけどコメントするわ。ツンデレ26の中也が可愛すぎてニヤニヤとまらんのだが助けて!!?!?((しらん (2019年12月18日 19時) (レス) id: b09f89d760 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» わわわっ!嬉しい!!!是非是非呼んでー!!! (2017年4月28日 22時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - ありがとう…!あんこって、呼んでもいいかな? (2017年4月28日 20時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» イドさんですね!了解しました!ではお言葉に甘えてこれからはタメで話させて貰いますね!私もタメ大歓迎なので是非お気軽に呼んでやって下さい!! (2017年4月28日 0時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - あんこさん» 本当ですか!嬉しい…!!文ストを語れるお友達が…ついに…!!!!私のことは気軽にタメ口でどうぞ!あ、ハンドルネームは『イド=エス』と読みます。イドとお呼びください! (2017年4月27日 21時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
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