【革命の代償】 ページ20
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無機質な病室の中。腕は点滴に繋がれていて、そう簡単には歩き回れないのだが、英智は動く気力もなく茫然としていた。
必死になって手にした英雄の称号。しかしそれと引き換えに、身体の自由も、友人になれたはずの存在も、恋人も失ってしまった。
一筋縄ではいかないとわかっていた計画に、弱い身体を酷使して突っ込んだ。おかげで気づいた時には何もかも無くなっていた。
もう昨日や一昨日のことでもないのに、Aにフラれた時のことを英智はよく覚えている。
あの時に味わった絶望は、忘れたくても忘れられない。不意に夢に出てきそうだ。
(当然か。君に真意を聞かれて即答できなかった僕に、恋人を名乗る資格なんて……)
Aと関わったのも計画の一部なのか、と聞かれた。英智が口ごもってしまった理由は、半分本当で半分間違いだからだった。
初めて話しかけたのは英智のほうからだ。当初の目的は、Aが『五奇人』に加担するのを防ぐため。計画を狂わせるわけにはいかなかった。
しかし英智はすぐにAに骨抜きにされて、彼女と過ごしている時はそれ以外のことはどうでもよかった。告白した頃には、営利的な目的は一切なくなっていた。
もし熱烈な『五奇人』派の生徒が『fine』に恨みを持ち、英智の彼女であるAを標的にしては困るので、仕事を大量に回してAを学院から遠ざけた。結果的に彼女を追い詰める一因になってしまったが。
英智は根っからのAのファンであり、女の子としても、それはもう周りが引いてしまうぐらいには大好きだった。もちろん今も。
彼女の輝きに照らされて自分もいいものになれた気がした。幸せな初恋だった。
(会いたいなぁ……)
なんて思って窓の外も見ても、頼りない木の枝で枯れ葉が揺れているだけだった。それに、きっとAは英智に会いたくないだろう。
彼女のことを大事に大事に思っていたつもりだったが、これは最初に損得感情で近づいた英智の責任だ。バチが当たったとしか言いようがない。
しばらくはAをテレビで見る度に気分が沈んでしまいそうだ。ため息が止まらなかった。
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wx667p9bc7(プロフ) - 続き気になる〜 楽しみ (1月16日 20時) (
レス) id: 3c68cd38f5 (このIDを非表示/違反報告)
トド(プロフ) - ゆさん» 大変お待たせいたしました！これから更新進めていきますのでお楽しみに！ (10月15日 23時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - とても続きが気になります！余裕がある時に執筆いただけたら嬉しいです՞⸝⸝> ̫ <⸝⸝՞ (10月8日 23時) (レス) @page1 id: 11ae07be49 (このIDを非表示/違反報告)
傘(プロフ) - アテネさん» ありがとうございます！前作が完結したらバリバリ進めていきたいと思います (8月31日 21時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
アテネ - これから頑張れー (8月31日 21時) (レス) @page1 id: 26234630b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トド | 作成日時：2023年8月31日 20時
