第四話…誠実でそれでいて大人の線を引く ページ4
『バスケ部の赤司くんがこんな所で一人で居るなんて珍しい。あの赤司くんが』
「オレだって一人になる時間くらい欲しいさ。それより、君はまだあの様な事をしている様だね」
『もしかして…安藤絵美?』
「ああ」
安藤はバスケ部の二軍マネージャー。優等生なので結構人望は厚く、それでいて美人と言う点から、すぐに一軍に上がるハズだった。
だが、嘗てこの帝光中バスケ部のお姫様として君臨していたある少女が転校してきた事で、その未来は遠退いた。だからか、安藤は少し焦っていた。
安藤は赤司と同じクラスだとさつきから以前受け取った資料に書いてあったし、学級委員長だからいくらでも話せるのだろう。周りは美男美女として称え崇めているのだから。
『そっか、アイツはどんな事を言ってたの?』
「天羽に思い出したくないトラウマを根掘り葉掘り聞かれた…と。嘘を吐いている様には見えなかったが真実でもなさそうだった。……半々の出来事、だろ?」
『まあね。確かに昔の話をしたけど聞いてはないから、それに君だって安藤が優等生じゃない事くらい察しはついてるハズ』
「ああ。アイツの女子からの印象はあまり良いものではなかったからね。最初は女子の嫉妬かと思ったが…事実は違った」
ベンチに座る赤司の髪が風で揺れる。
彼には誰にも勝てない様な素晴らしいオプションがついている。安藤はそれを欲しがりバスケ部に入り、距離を縮めようとしているのだろう。
嘗て自分を生んで失敗した、その母親の様にならない様に。
―――あくまであたしの憶測だけどね。
第五話…去り際の甘い誘い→←第三話…天使より優れた道具はない
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海砂(プロフ) - 蓮々さん» ありがとうございます。過去を考えるのも難しいのですがそう言ってもらえるととても報われます。頑張ります。 (2015年10月23日 7時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
蓮々 - いえいえ!そんな事ありませんよ!この作品の悪女たちはわがままで強欲で思い上がってるだけの例を挙げると空色シリーズに出てらっしゃる秋山のような同情の余地すらない悪女とは違いますから!これからも辛い過去で悪女になってしまった子達を救ってほしいです^^ (2015年10月23日 0時) (レス) id: 257f675689 (このIDを非表示/違反報告)
海砂(プロフ) - 蓮々さん» 貴重なご感想ありがとうございます!前作にもあるように天羽ちゃんは根っからの悪女は居ないと言っているので、その筋道に合わせようと思っています。頑張ります! (2015年10月22日 22時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
蓮々 - この作品の悪女には幸せになってほしいって願わずにはいられません!絵美ちゃんにも本当の愛が見つかるといいですね^^ 更新頑張ってください! (2015年10月22日 19時) (レス) id: 257f675689 (このIDを非表示/違反報告)
海砂(プロフ) - 青息吐息さん» どうもありがとうございます!頑張ります! (2015年10月21日 5時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小泉 海砂 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2015年10月11日 9時