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第十二話…誘った悪夢は掴めず空を斬る ページ12

「こっ、コンタクトなんて付け直したの…」

「本当に?だって絵美ちゃん、替えのコンタクトがないから困っちゃうなあ、って言ってたじゃん」

「ちょ、ちょっと待つのだよ!つまり、安藤が嘘を吐いていると……?」

『そういう事に、なっちゃうね。あたしもそんな事してないからどうしてなのか分かんないけど、ちゃんと説明してくれないかな。安藤さん』


安藤へと突き刺さる軽蔑の冷たい()

耐えられないのか肩を揺らし赤司から離れると、風の様に体育館から出ていってしまった。ああ、ちょっとやり過ぎたかなと思ったのはその少し後。


しかし不思議だ。どうして安藤はすぐに分かるような嘘を使ってあたしを嵌めようとした……?

あたしがあの様な素人でも吐かない様な茶番的偽装に引っ掛からないと言う事は、優秀な安藤さんにはよく分かるはずなのに。どうして?

もしかしたら彼女にはまだ隠している“嘘”があるのかもしれない。だとしたら、今の彼女の演技はただのフェイク?


「天羽っち、大丈夫っスか?」

『天羽……っち?どうしたの?そんな呼び方。黄瀬くん』

「否、だって……あんな濡れ衣着せられて平気な人は居ないでしょ?」


今のあたしは誰にどんな嘘を吐かれても、裏切られたとしても平気だけどね。

ひねくれているとは思う。こんな性格だから、一生隠し通して過ごすしかないのは当の昔に諦めている。仕方ないだろう。こんな性格を生み出したのはあたしじゃない、あの女なのだから。


『うん…。本当はね、すっごく苦しいのっ。安藤さんの事、信じてたんだよ?』

「A…」

『なのに、案外簡単に裏切られちゃうんだなあってっ…思ってっ』

「うん」

『皆は…あたしを信じてくれますかっ……?』

「勿論」


―――“愛される”は、気持ちいい。

第十三話…フラれるのは氷柱の様な→←第十一話…偽証の蝶と贅沢三昧



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設定タグ:黒子のバスケ , 悪女   
作品ジャンル:アニメ
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海砂(プロフ) - 蓮々さん» ありがとうございます。過去を考えるのも難しいのですがそう言ってもらえるととても報われます。頑張ります。 (2015年10月23日 7時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
蓮々 - いえいえ!そんな事ありませんよ!この作品の悪女たちはわがままで強欲で思い上がってるだけの例を挙げると空色シリーズに出てらっしゃる秋山のような同情の余地すらない悪女とは違いますから!これからも辛い過去で悪女になってしまった子達を救ってほしいです^^ (2015年10月23日 0時) (レス) id: 257f675689 (このIDを非表示/違反報告)
海砂(プロフ) - 蓮々さん» 貴重なご感想ありがとうございます!前作にもあるように天羽ちゃんは根っからの悪女は居ないと言っているので、その筋道に合わせようと思っています。頑張ります! (2015年10月22日 22時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
蓮々 - この作品の悪女には幸せになってほしいって願わずにはいられません!絵美ちゃんにも本当の愛が見つかるといいですね^^ 更新頑張ってください! (2015年10月22日 19時) (レス) id: 257f675689 (このIDを非表示/違反報告)
海砂(プロフ) - 青息吐息さん» どうもありがとうございます!頑張ります! (2015年10月21日 5時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小泉 海砂 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2015年10月11日 9時

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