第十一話…偽証の蝶と贅沢三昧 ページ11
「A…、安藤さんがさっき部活に来て、Aに何かされたらしいんだけど…。一向に話してくれなくて、それでAが来たの」
『そっか。教えてくれてありがとう、さつき…』
あたしを見て震える安藤。
赤司に抱き着きながら、あたしが悪い様に見せているようだ。さあ、アナタはあたしを嵌めるために何を仕掛けてきたの……?
その美しい顔を涙で染めて、教えてよ。
『ねえ…安藤さん。あたし、何かした……?』
「違う、のっ…!私ね、さっき見ちゃったんだよ……!?天羽さんが一年生棟の空き教室で、女の子を虐めてるのっ……!この目でハッキリ見たんだからぁ…!!」
『えっ……!?そんな、あたしっ…そんな事してないよ…!?』
「絵美ちゃん。それって本当に天羽さんだったの?」
安藤を疑う様な目で神崎葵さんが言う。
自分に疑いの視線を送られている事に、戸惑ったのか予想外なのか、余計に身体を震わせて泣き叫ぶ安藤の姿は、見ていて笑いを堪えるのに必死になってしまうくらい滑稽だった。
一方抱き着かれている赤司は、別に安藤と席が近くてよく話す女子としか認識していなかったから、随分と迷惑そうに顔を歪めている。
それを遠巻きに見ているキセキの世代も、赤司へと憐れみの視線を送っている。
そう、言ってしまえば此処で安藤が泣き叫んであたしを悪者に仕立てあげようとする事より、バスケ部は安藤に抱き着かれている赤司が可哀想でならないのだ。
「そう、だよっ…?もしかして信じてくれないの!?信じてくれるでしょ!?葵ちゃん!私達親友だもんね!?」
『葵さん…』
「えっ…と、だってさ、絵美ちゃんってコンタクト付けてるでしょ?さっき私とぶつかって取れちゃったんだよね?―――だったら二年生棟から一年生棟の空き教室で天羽さんが虐めをしてる所なんて見えなくない?」
第十二話…誘った悪夢は掴めず空を斬る→←第十話…亜麻と黒の化かし合い
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海砂(プロフ) - 蓮々さん» ありがとうございます。過去を考えるのも難しいのですがそう言ってもらえるととても報われます。頑張ります。 (2015年10月23日 7時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
蓮々 - いえいえ!そんな事ありませんよ!この作品の悪女たちはわがままで強欲で思い上がってるだけの例を挙げると空色シリーズに出てらっしゃる秋山のような同情の余地すらない悪女とは違いますから!これからも辛い過去で悪女になってしまった子達を救ってほしいです^^ (2015年10月23日 0時) (レス) id: 257f675689 (このIDを非表示/違反報告)
海砂(プロフ) - 蓮々さん» 貴重なご感想ありがとうございます!前作にもあるように天羽ちゃんは根っからの悪女は居ないと言っているので、その筋道に合わせようと思っています。頑張ります! (2015年10月22日 22時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
蓮々 - この作品の悪女には幸せになってほしいって願わずにはいられません!絵美ちゃんにも本当の愛が見つかるといいですね^^ 更新頑張ってください! (2015年10月22日 19時) (レス) id: 257f675689 (このIDを非表示/違反報告)
海砂(プロフ) - 青息吐息さん» どうもありがとうございます!頑張ります! (2015年10月21日 5時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小泉 海砂 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2015年10月11日 9時