11話 ページ12
「そして、三谷Bクラスの若武和臣。」
ワカタケ!
その名前を、恨みを込めて噛みしめる私の前で、先生は、その子の肩に手をかけて自分のそばに引きよせた。
「『ウェーブの若武』っていって、波が激しいんだ。いいときは、三谷Cの連中も真っ青になるほどいいが、悪いときは、受験Bすれすれさ。
そうだよな、若武?」
からかうように笑った先生の前で、そいつは、とてもがまんてきないといったように首を横にふった。
サラリとゆれる長い前髪の下で、涼しげなふたつの目が強く光る。
「ひでえよ、先生。それってオレだけけなしてるじゃん。ほかのヤツらのことは、ほめてるのにさ。差別だ。」
先生は笑っていた。すると
「おーい本田。いい加減起きろよー」
と前の方に問いかけた。
もう1人の女の子なのかな?とびっくりした。
先生が問いかけても起きない…仕方なく近くにいたワカタケに起こしてこいと言っていた。
「おいA朝だぞ」
と女の子らしい子の肩をゆらしながら
優しい声で言っていた。
すると、どこかで聞いた事のある綺麗なソプラノ声がきこえてきた。
『ん…お、はよ〜』
「おはようじゃないぞ本田〜」
先生がすこし茶化すように言った
『え?!せんせっ!!』
ははっと先生は笑い女の子を自分の元へ引きよせた。
その時に顔が見えた。まだ眠いのか瞼が重そうな瞳にのっている長いまつげ、色白な肌に映える綺麗な色素の薄い髪。
放課後に会った天使だ。
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ももんが(プロフ) - 更新ありがとうございます!この作品は私の生き甲斐になっています!これからも更新頑張ってください! (2020年5月24日 16時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
凜 - おはようございます!! とても面白いです! そして、楽しいです!自分のペースで、更新頑張ってください! 楽しみにしています! 作者様も、体調に気を付けて、無理なさらないでくださいね! 応援しています! (2020年5月24日 9時) (レス) id: fbeba8bbe8 (このIDを非表示/違反報告)
シロップ - 凄く好みの作品でびっくりしました!これからも更新頑張って下さい!! (2020年5月23日 11時) (レス) id: f315a783e1 (このIDを非表示/違反報告)
マロマロ(プロフ) - この作品すごく好きです!更新頑張ってください! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 1787986370 (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - 更新ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも頑張って下さい!待ってます! (2019年8月19日 12時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NONAME | 作成日時:2019年6月22日 23時