影の薄い少年とオシャレ好きな少女 (ページ3)

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黒子はボクです① ページ3

時はすぎて放課後の体育館入口横に背を預けてもたれ掛かりこれから起こることを見守っていた。

「よーし、全員揃ったなー？1年生はそっちな」

声がするほうを見ればそこにはキャプテンらしき眼鏡をかけた男子生徒の姿、その場にいた全員が指示通りに動く中で1年生の数人から壁の近くに立ち部員と会話をしている茶色いショートヘアの女子生徒を見て可愛い、やもっと色気があればなどとマネージャーだと思って会話をしているとキャプテンから違うという言葉と共にゲンコツがお見舞される。

「男子バスケ部カントク(・・・・)相田リコですよろしく!!」

女生徒をマネージャーだと思い込んでいた1年生達は声を揃えて驚き、老教師を見てあっちじゃないの！？などと目に見える態度をとるとリコからあれは顧問の先生で見てるだけだと説明をうけるも未だに困惑している1年生に次に放った言葉にまたしても驚く事となる。

「……じゃあまずは、シャツを脱げ!!」

「「「「ええぇぇぇぇ！！なんで！？」」」」

困惑しつつも先輩の、しかも監督を名乗る者の指示に逆らう事も出来ず大人しく従うとひとりひとりの体格を見て身体能力を言い当てていく彼女に何が起こっているのかとその場で呆然としている彼らに対してキャプテンは彼女の父親がスポーツトレーナーでその父を見て育ったため体格を見れば身体能力が数値となって見えるのだと彼女の方へ視線を移すと火神を見て驚きのあまり絶句していた。

(何コレ!?全ての数値がズバ抜けてる…こんなの高一男子の数値じゃない!!しかものびしろが視(み)えないなて…)

火神の持つ天賦の才能にぼーっとしている彼女にキャプテンが大きな声で声をかけ現実へと呼び戻し最後だろと軽くやり取りをすればある人物のことを思い出す。

｢……黒子君ってこの中いる？｣

｢あ！そうだ帝光中の！｣

机に残されていた入部届けのことを見ていた2人と帝光中と聞いたキャプテンが騒ぎだすもそれらしき人物から反応は返ってこず、練習を始めようとしたその矢先に小さくもハッキリとした声がリコへとかけられる。

「あの…スミマセン黒子はボクです」

今まで誰もいなかった場所に突然現れたように見える水色髪の青年にリコをはじめとした周りの皆が全員大きな声で驚きいつから居たのか？キセキの世代と試合に出ていたのかなどのやり取りが繰り広げられ数値の確認が済むとその日はお開きとなり今までの光景を見ていた人物は小さな声で『楽しくなりそう〜♪』と呟いた。