影の薄い少年とオシャレ好きな少女 (ページ2)

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これから始まる物語ページ2

桜の花びらが風で舞うこの季節、さまざまな場所さまざまな人のストーリーが始まる入学式。
都内にある新設された高校の男子バスケットボール部を舞台にひとつの物語が幕を開けようとしている。

校舎から校門までの道にはずらりと並んだ各部のテーブル、元気のいい在校生が新入生を勧誘する声が響き渡り辺りは人でごった返している中で1人の少年は本を読みながらもその人の波を掻い潜り歩いているのをとある少女が見ていた。

『日本の高校ってこんな感じなんだ〜、あっちとまた違う感じで賑やかね！そういえば火神くんどこの高校受けるって言ってたったっけ…？』

冬の制服に身を包み部活ブースの案内を見ている少女もまたこの物語に大きく関わってくることとなる。
所変わってバスケットボール部のブースでは1人の女子生徒が入部届を丁寧に一枚ずつ数えては勧誘しに行っている部員の戻りを待っていると待ち人の声が聞こえ顔を上げればそこに立っていたのは見覚えのある部員ではなく学生服を着崩した巨人なのでは無いかと思われるほどの高身長な赤い髪の男子生徒が部員を物理的に連れてバスケ部はここか？聞いてきた。

｢…うん｣

女生徒は少し迫力に気圧されつつもとりあえずと赤い髪の生徒を座らせて説明を始めようとすも目の前に座る彼はその話を一刀両断し入部届を書いたら帰るという。紙を受け取り目を通す彼女は出身校がアメリカでバスケが本場仕込みでさることやあれの持つ雰囲気などからただものではないと考えて読み進めて行く。

｢あれ？志望動機はなし？｣

｢別にねーよ。どーせ日本のバスケなんてどこも一緒だろ｣

そう言いながら紙コップを握り潰し離れたところから後ろ手でゴミ箱に投げ入れるもそんな彼の表情はなんともい難いものであることに気づいたのは彼女だけで隣の男子は先ほどの恐怖が抜け営無いのか机の上に上半身を突っ伏してあれで高一なのかと叫び女生徒は連れてこられた理由が知りたいと言えば説明しようとするも彼の目に一枚の入部届が。

｢一枚入部届集め忘れてるっスよ｣

そういいながら渡せば見落としに気づいていなかったのか入部届を確認するとそこに書かれていたのは黒子テツヤの文字ずっと机番していたのに彼女にそんな人物は記憶になくただ入部届を訝(いぶ)かしげに見てると出身校の欄にはキセキの世代で有名な帝光中と記載されていて机番の2人は驚きでその日は大きな声で騒いでいた。