魔法の薬【あんスタ】 (ページ4)

今日:4 hit、昨日:9 hit、合計:2,273 hit

ep.3 ページ4

零さんはあれから1度も来ることも無く。
きっと旅人だったんだと思った。

「そう簡単にあんなカッコイイ人、こんな街の端っこに来たりなんかしないよね〜……」

私もそろそろ身を固めなくちゃな〜。
お父さんとお母さんみたいに、素敵な夫婦に……

「おい！お前！」
「はい！…え？あ、いらっしゃいませ？」

これまた、めちゃくちゃ可愛いお客様………
そう簡単にカッコイイ人って現れるんだ……
どうやら、ぷりぷり怒ってらっしゃるみたいだけど…

桃「僕は姫宮桃李！奴隷のお前のためにわざわざここまで出向いてやったんだ！お茶くらい出せないのか〜！？」
「…えっと…桃李さん、なんの御用で……？」

っていうか、奴隷ってなんだ。
お薬を取りに来たのかな。
ピンクのアホ毛があっちこっちしてる……

弓「申し訳ございません、A様。このクソガキ少々教育が足りないようで…。我が主がどうやら風邪をひかれましたようなので、お薬を頂こうかと思いまして。」
桃「クソガキ？！弓弦！お前も奴隷の癖に主に向かってなんて口を聞くんだ！」
弓「私にはそのような口を使っても構いませんが、第三者にまでその態度はお辞めくださいまし。アホが露呈しますよ」
桃「おまえー！」

小さな手足をバタバタと鳴らしながら弓弦さんに怒る桃李さん。
どうやら、この2人は主従関係があるっぽい。
ってことは、財閥の方かな。
なるほど、無闇矢鱈な薬はだすまい。
怒らせでもしたらお店ごと潰されそうだ。

「症状ってどんな感じですか？」
「…元から体の弱いお方だから、咳が止まらないみたい。鼻とかはなんともないって。熱もあるって言ってたかな」
「…解熱剤と、咳止め、調合しますね」

桃李さんはその主様を慕っているみたい。
弓弦さんに歯向かうのを辞めて、症状を伝えてくれた。

元から体が弱いのなら、また違うものを調合しなきゃ。

気管支が弱いとか……？？

弓「申し訳ありません、A様、こちらをどうぞ」
「…あぁ、今までの病気歴ですか。」
弓「えぇ、持病まで記名しております。参考になるかと…」
「助かります。少し時間いただきますね」

別にいいよ。と桃李さんは店の物色を始めた。
弓弦さんは、どうやらどこかへ連絡をしているよう。
今のうちに済ませちゃおう。

…天祥院英智？さんは、すごく厄介な持病をお持ちなのね。
これは考えなきゃ。