白烏 ２

【 自分の力 】 ページ33

《 日向side 》



田「また俺にフリーで打たせてくれよ？」



影「月島や永田みたいなデカい奴が何人も、お前の動きにアホみたいに引っ掛かったら…気持ちいいだろ？」



日「(頂の景色…)」



日「手に当たったぁぁあ！！」



貴「…囮ってさ…素敵だと思う…よ」




貴「うん。…敵も味方も、関係なく…試合を見てるみんなが…注目する選手…それが、囮…だと、思う」




貴「じゃなきゃ、囮…って出来ない。日向は、みんなに注目される、程…凄い選手だって…事」






日「…………思わない」


影「あ？」


日「思わない！！！」


影「よし！！！」







そうだよ、俺バカだ。永田が教えてくれてたじゃん、囮の格好良さ！
きっと永田は俺が囮って役目を喜んでいないの気づいてたんだ。



俺はエースになれない。でも、それでも囮だって凄いんだ
注目されなきゃ囮にならないし、その為には点を沢山取って、もしかしたらすげぇ頑張らないとなれないモノなのかもしれない…




東「今の一発凄かった！」


日「！！あざすっ」




エースは格好いいよ。けど、囮が格好悪いなんてもう絶対思わない！





影「試合の続きー…」


影 日「お願いします！！」







目の前に立ちはだかる 高い 高い 壁





その向こうはどんな眺めだろうか




どんな風に見えるのだろうか




“ 頂の景色 ”





俺 独りでは決して見る事のできない景色




でも 独りではないのなら、見えるかもしれない景色







貴「…やっぱり…素敵、だろ？囮…」


日「！永田！！お前の言う通り！囮だってスゲーよ！てかスゲーって思わせるくらいの囮になってやる！！」






永田の素敵って言葉は多分俺のスゲーって気持ちと一緒！多分！
素敵なんて言葉殆ど使った事無いし、どういう感じか分かんねーけど、多分同じ！


だって永田笑ってるもん！俺の好きなキラキラした笑顔で笑ってる！





貴「…やっぱり、日向が…味方にいると、頼もしい…」





ポンッと俺の頭に手を置いて数回撫でた後、持ち場に戻った永田
その数秒後俺は顔から火が噴き出すんじゃないかってほど、真っ赤になった




くそぅ…永田って天然たらしって奴だ…っ

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