赤司に成り代わった鈍感少女は自滅悪女製造機 (ページ4)

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第4Q キセキの世代に近付かないで！ページ4

赤司君に成り代わって一週間、だいぶ時系列も把握してバスケの仕事にも慣れ始めていた

取り敢えず、赤司君ってめっちゃ忙しい……

今は中学二年生だからまだ虹村さんが居るけど、これで主将の仕事もしてたとか赤司君チートすぎない？

赤司君を演じるため出そうになる溜息を我慢して、体育館に向かいながらバインダーに挟まれた練習メニューに目を通す

虹村さんとさっき一緒に考えたやつだけど、正直バスケの知識がないからよく分かっていない

今はバスケについて勉強中だ

白｢あ、あの……｣

すると、白い髪を耳下でツインテールに結んでいる黄色い瞳の女の子が、スポドリのボトル片手におずおずと話しかけてきた

確かこの子は、ボクと同じ一軍マネージャーの白中奈緒ちゃん

白｢お願いがあるんだけど……｣

貴｢言ってご覧？｣

なるべく赤司君が言いそうな紳士的な言葉を選びながら、優しくふんわりと顔を綻ばせてみせる

そんなボクを見て仄かに顔を赤らめた白中さんは、ハッと我に返ったように首を小さく横に振った

やっぱり赤司君って女の子でもカッコイイんだな

白｢こ、これ以上、キセキの世代に近付かないで！｣

貴｢……えっ？｣

勇気を振り絞って告白するみたいに告げられた言葉は、かなり予想外すぎるもので思わず聞き返す

白｢だから、キセキの世代に近付かないでって言ってるの。赤司さん、ちょっとキセキの世代と距離近いよ？｣

少し苛立った様子で、一から丁寧に説明してくれた白中さん。嘘、ボクそんなにキセキの世代に近付いちゃってた！？

肉眼で見る二次元キャラが思ってたより尊くて、知らないうちに構いまくってたのかもしれない

そして、白中さんはキセキの世代の誰かが好きで、恋愛感情もないくせに近付くボクに嫉妬していたんだ

貴｢白中さんの気持ちにも気付かず、申し訳なかったね。これからは、キセキの世代に近付かないようにするよ｣

白｢えっ？｣

貴｢どうしたんだい？｣

白中さんに謝ってから反省の気持ちを込めて承諾すると、何故か意外そうに目を丸くして驚く白中さん

ボクってそんなに人の恋路を邪魔するように見えるのかな？まぁ、赤司君って恋には鈍感っぽい感じだけど

白｢い、いや……。本当にいいの？｣

貴｢別に構わないよ。ボクは虹村さんとのミーティングが多いからね。キセキの世代と離れて、困ることは特にない｣

この日を境に、ボクはキセキの世代をさりげなく避けるようになった