第2Q 今日のお前のラッキーアイテムなのだよ ページ2
帝光中学校なう
道が全く分からなかったからリムジンで送ってもらったよ
｢すまない。今日は体調が悪いから学校まで送ってくれないか？｣
って申し訳なさそうに言ったら｢喜んで！｣って言われちゃったよ。愛されてるね、赤司君
とりま、学校には着いたけどクラスとか諸々が分からないままで、キセキの世代の誰かが来るまで正門前で立ち尽くしてる
同じクラスの人が居ると良いんだけど……
赤司君だけ違うクラスとかだったら、恥を忍んで｢ボクのクラスを教えてくれないか？｣って頼まないといけなくなる
キョロキョロと目立つ髪色を探していると、うさぎのぬいぐるみを持った緑間君が歩いてきた
貴｢おはよう｣
緑間君の傍に走って行って、赤司君っぽくを意識しながら控えめに微笑みかける
緑｢おはよう。今日はいつもより遅いのだな｣
貴｢えっ、そうかな？｣
ボク、これでも生前の学生時代より早く家を出たんだけど、赤司君は一体いつも何時に着いてたの？
緑｢赤司｣
貴｢何だい？｣
赤司君が何時に学校に居たのか考えていると、緑間君に呼ばれて顔を上げる
すると、ポフッとうさぎのぬいぐるみを渡され、反射的に両手で抱っこした
緑｢今日のお前のラッキーアイテムなのだよ｣
貴｢フフっ、ありがとう｣
眼鏡をクイッと人差し指で上げて視線を逸らす緑間君にボクは思わず笑ってしまう
緑間君ってキセキの世代にもラッキーアイテムを渡してたんだ。仲間思いのいい子だねと母親みたいなことを考える
それにしても、うさぎのぬいぐるみ超可愛い
ふわふわとした手触りのいい白い体、私の背丈の半分はある大きな体に見合う大きさの丸い瞳
緑間君がこれを選んで買っている姿を想像すると可愛くて、また笑ってしまった
緑｢どうしたのだよ？｣
貴｢いや、ボクにはもったいないぐらい、可愛らしいぬいぐるみだと思ってね｣
緑｢……ッ///////｣
本当のことは言えないから顔を綻ばせて赤司君が言いそうなことを言うと、緑間君は何故か顔を赤くして眼鏡をカチャカチャと動かし始める
渡したものを褒められて恥ずかしかったのかな？
緑間君にお礼を言おうとして、ふと気が付く
そういえば、キセキの世代のことは名前呼び？オッドアイだし、もう僕司君だと思うんだけど
うーん、試しに名前呼びしてみて、指摘されたら言い訳しよう
貴｢真太郎、ラッキーアイテム有難う｣
嬉しさを滲ませて笑顔を浮かべると緑間君が固まった。えっ、なんで？
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作者名：もちネコ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年2月7日 11時
