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すれ違い:1 ページ14

「、、、臆病者って言うけど、じゃあどうしろって言うの?

最初に手を振り払った貴方に縋って、泣きついて片時も離れたくない。とでも言えば満足?


貴方を生かすために私の人生を捧げろと?


冗談じゃないわ。、、、確かに私達は離れては生きていけない。


でも、私は自分で決めた道をちゃんと歩きたい。


私は貴方のために生まれてきたんじゃない!」









敬愛する兄から、初めて名字で呼ばれた時。


足元が崩れる喪失感を抱いた
互いを縛る家の象徴を突きつけられたと同時に
“お前とは双子なんかでは無い”と拒絶されたようで、途方に暮れた




暫くして、Aも同じように苗字で呼び始めたのだが、その度に虚しくて仕方なかったのを覚えている



.


.

せめて、兄の足を引っ張るな。とパーティーで名も知らない親族に言われたセリフが脳裏に甦る。


双子を比べ、普段の素行で判断して優劣を決め、

神にでもなったつもりの傲慢な人々の囁きが耳奥でこだまして赤司の言葉と重なり、Aは昂る感情を抑えることは出来なかった





積もった鬱憤を吐き出したところで、Aは自身の荒い呼吸を自覚し、静まり返った室内の空気にようやく我に帰った



視線を上げて、赤司を窺うと、彼は泰然と腕を組んで無表情にAのことを見つめていた




しかし、その双眸は冷たく細められており
Aは肩を震わせ息を飲んだ




「それで?言いたいことはそれだけか」



「、、、ッ」



「お前がどう思おうが俺には関係ない。
だが、互いの行動一つで俺達の状況を左右されることは忘れるな。

半日がタイムリミットの中で俺の時間を優先させろと言っている訳じゃないが、お前より行動が制限されている俺の立場も考えてくれ」






部活の主将に生徒会長の仕事、赤司家次期当主としての実務などはAとは比べ物にならない程、多忙を極める




大勢の人の前に立ち、従え率いていく立場にある赤司の責任はもはや1人のものでは無い



Aが、赤司のスケジュールに合わせて行動するのはもはや定められていることなのだ





現状を把握し、的確に行動している赤司は正しい。

冷徹な態度を崩さなくとも、根本はAのことも考えていることだって知っている




我儘を言っているのは自分の方だと理解している


理解しといてなお、追いつかない感情に振り回させている自分が滑稽だった。

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明里香(プロフ) - 誤字がありました。「呪われているの体質」ではなく、「呪われている体質」です。 (2018年9月21日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
*杏花*(プロフ) - すごく寂しいです。お元気ならいいのですが...またいつか、このような素敵なお話を書いてくださる日を楽しみにしています。本当に素敵な作品をありがとうございます。私の出会った作品の中で、きっと不動の1位なんです、これ! (2018年8月6日 0時) (レス) id: fa9f0c3f67 (このIDを非表示/違反報告)
*杏花*(プロフ) - このお話が書かれていた当初も読ませていただいてましたが、最近になって追記があり、またもう一度読みたいな!という気持ちになりました。...何度読んでも本当に虜になるようなお話だと思います。これを読んでいる時は物語自体に魅了されているような気持ちです...! (2018年8月6日 0時) (レス) id: fa9f0c3f67 (このIDを非表示/違反報告)
キセキ(プロフ) - 舞蝶月姫さん» ありがとうございます!ただ、自分の欲望のままに書いたものだったので、、、。単行本なんて夢のまた夢の話ですね。ありがとうございます (2017年10月22日 15時) (レス) id: e42de48abf (このIDを非表示/違反報告)
キセキ(プロフ) - らららさん» ありがとうございます!3回!?3回ですか、、、!驚きです。続きは今書いている物が落ち着いたらにしようかと思います!それまで、暫しお待ちを! (2017年10月22日 15時) (レス) id: e42de48abf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キセキ | 作成日時:2017年9月18日 18時

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