第９５話 ページ48
「ねえ、その勇気はある？」
ソウはニコニコと笑っていた顔を崩し、真剣な顔でナオを見据えた
「私は･･･」
ナオは青い顔で俯いている
「･･･ソウさんを殴りました」
ナオは観念したかのように小さな声で呟いた
「マジ･･っスか･･･？」
「ウソだろ！？なんでだ！？ナオ！？」
レコはナオに掴みかかるような勢いで問いただした
ナオは対照的に静かな声で続けた
「･･･脅迫されてたんです」
「脅迫って･･･一体誰に？」
「カイさん、です･･･」
皆の視線がカイに向く
カイは変わらず無表情のまま立っている
「私はカイさんに脅されて･･･ソウさんの頭を殴りました･･･」
カイに脅されてソウを殴った
つまり、ナオはカイに利用されたということだ
カイがソウを恨む理由でもあるのか？
引き出そうとカイのほうに視線を向けるが、口を結んだまま話そうとしない
ならばナオから聞き出すしかない
「遺体回収のアナウンスの後、箱を持って走り、食堂まで来ると･･･突然カイさんに手を引っ張られ調理室の中へ押し込まれました」
ナオはその時の会話の内容を語り始めた
『静かに･･･ここに隠れていればバレません』
『は、はい･･･』
「それって、つまりさ･･･」
「カイさんは匿ってくれたんです」
『誘拐犯に反抗するとは、ナオさんも中々やりますね』
『お願いします！誰にも言わないでください！』
「カイさんは事情を知ると、取引を持ち掛けてきました」
『では、ナオさん。私の望みを一つ聞いていただけますか？』
「もう結構です」
ナオの口からカイの望みを聞く前にカイに遮られてしまった
「水を差さないでよ、良い所なのに」
ソウは呆れたようにカイを見る
「驚きました。ナオさんがこのようなウソをつくことに」
「う、ウソじゃないです！！」
「カイはそんな脅迫してないって言いたいんだね？」
「ええ、脅迫を受けてるなら最初に全てをお話するハズです。何故ならナオさんは私を庇う必要がないのです。アリスさんがレコさんを庇った時とは訳が違うのですよ」
「まあ、確かに･･･」
脅迫を受けているのなら初めに告白して投票先の候補にカイを入れればいいだけのこと
脅迫を受けた側のナオは俺たちにかなり信頼されるだろうし、投票先にもなりにくい
それでも言わなかったとなれば庇っているか、土壇場の言い逃れか
前者があり得ないとなれば後者しかないだろう
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蓮花(プロフ) - りんかさん» ありがとうございます！ちょうど今時間があるので、ガンガン更新しております！ (2018年3月15日 22時) (
レス) id: d09b3b9af5 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - はじめまして！いつも見てます！更新多くて嬉しいです！これからも楽しみにしてます！ (2018年3月15日 22時) (レス) id: 5c6a2a921b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青薔薇 | 作成日時：2018年3月15日 11時
