第８４話 ページ37
「フン･･･そうやって視線で黙らせるほどの力･･･やはり独裁者だな」
「何でそうなるかなぁ･･･」
俺は長い溜息を吐いた
俺はふと探索中に拾ったあるものを思い出した
「おい、ゴンベエこれ見ろよ」
俺はゴンベエに向かってそれを投げた
「ん？」
ゴンベエは俺が投げたものをキャッチするとまじまじと見つめた
「調理室で見つけたんだ。"ご自由にお使いください"って書いてあるのに中身は空だ」
「それがどうした」
「包丁が入っていた跡があるだろ」
「な！？包丁だと！？」
「そう。ジンくんとサラちゃんと調べた時にはもうなかった。何者かが持ち去ったんだろうねー」
「調理室にはずっとカギがかかってましたし、ジンさんが単独行動した時間はわずか･･･手に入れられるわけないですよね」
「なに落ち着いてんのよ！？誰よ、誰が包丁を･･･！」
「それは今、関係ない」
「関係ないワケ･･･！」
「大事なのは俺が全ての武器を持っていないってことだよ。力で黙らせてるわけじゃねぇ」
「ううっ･･･！何よ！いい気になっちゃって！･･･フン。もういい。オレは喋らない」
一人でずっと喋り続けている
騒がしいやつだ
「お前ら信頼する仲間同士で疑いあえばいい」
「オレは覚悟を決めたぜよ･･･」
Qタロウは静かな声で呟いた
全員の視線がQタロウに向く
「黙って終わるのが･･･最も愚策じゃ。だから言う」
俺たちは次の言葉を待った
「これまでの探索や話し合いで･･･足手まといや力不足を感じたヤツ･･･。カンナ、ギン、ナオ･･･お前ら３人じゃ」
カンナ、ギン、ナオは青ざめた顔でうつむいたままだ
「そんな･･･！」
ナオは絶望した顔でぽつりとつぶやいた
「ふざけんなテメー！ちょっと力があるからって自分は選ばれねーとでも思ってんのかよ！」
レコはQタロウに反論する
Qタロウはレコの気迫に引くこともなく声を荒げた
「ならオレに投票すればええがや！」
「なっ･･･！」
「しっかりお前さんの意志で投票しろ！オレが不必要なら責任を持って殺せよレコ！それが覚悟ってもんだろ！」
Qタロウの言葉には彼の言う通り覚悟を決めたような強さがあった
「Qタロウの言い分は分かった。じゃ、カンナとギンとナオに弁明をしてもらわないとかな」
俺は黙ったままの３人に話題を回した
このままだとQタロウに押されて３人とも候補に挙がってしまうだろう
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蓮花(プロフ) - りんかさん» ありがとうございます！ちょうど今時間があるので、ガンガン更新しております！ (2018年3月15日 22時) (
レス) id: d09b3b9af5 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - はじめまして！いつも見てます！更新多くて嬉しいです！これからも楽しみにしてます！ (2018年3月15日 22時) (レス) id: 5c6a2a921b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青薔薇 | 作成日時：2018年3月15日 11時
