第７４話 ページ26
サラは言い辛そうにナオに事実を伝えようとしている
「･･･分かってます」
ナオは小さく呟いた
「･･･自分が間違ったことをしてるのは･･･分かってるんです。皆さんに迷惑までかけて･･ずっとこんな事してちゃダメですよね･･･私、どうしたらいいんでしょうか」
今なら説得できそうだ
残酷なことを伝えたとしても、どうにか説得しなければならない
「･･･ナオさん。２階に続く階段が現れたのは知ってますか？」
「え！？まさか･･･出口が･･･」
ナオは期待するようにサラを見つめた
「いえ･･･同じく罠が張り巡らされた部屋ばかりでした」
サラは背後にいるギンを見た
「･･･ギンはナオさんを捜す過程で檻に閉じ込められたそうです」
「ギンくんが･･･！？」
「･･･うん」
ギンは石の部屋であったことを思い出したのかサラの服をぎゅっと掴んだ
「･･･私の･･･せい･･･ですね･･･」
「ナオさんの気持ちは分かります。でも、生きている人たちまで危険にさらしては･･･いけない」
「･･･生きてる人って･･･！そんな言い方･･･！」
「ミシマ先生は･･･ミシマ先生は死んだんです。ナオさん」
サラはナオに事実を伝えた
「･･･････････････････うぁぁ･･････････････････」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ･･･！」
調理室にナオの悲痛な叫びがこだまする
死を受け入れるのは難しいことだ
そして、受け入れた死はいかに重いか
「･････そうです･･･よね」
ナオは涙を拭いながら箱を優しく撫でた
「･･･暗闇で･･･何度問いかけても･･･先生は、一言も話してくれませんでした･･･」
ナオの両目から大粒の涙が流れ落ちる
「･･･どんなに忙しそうにしてても･･･ニコニコ返事をしてくれたあの先生が･･･」
ナオは涙を拭った
「･･･描きかけなんです。プレゼントするはずだった･･･先生の似顔絵が･･･もう渡せないんですね･･･」
「渡せないことはないよ」
「･･･え？」
俺はつい口を開いてしまった
「勝手に口が･･･。死に携わる仕事をしてる俺から言うとね、その絵は描き上げた方がいいよ」
「私もそう思います」
サラは俺の意見に便乗した
「きっと様々なことを教わったはずです。絵の事も･･･勉強も･･･もっともっと大事な事も･･･ミシマ先生を一番よく知っているのは･･･誰ですか？」
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蓮花(プロフ) - りんかさん» ありがとうございます！ちょうど今時間があるので、ガンガン更新しております！ (2018年3月15日 22時) (
レス) id: d09b3b9af5 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - はじめまして！いつも見てます！更新多くて嬉しいです！これからも楽しみにしてます！ (2018年3月15日 22時) (レス) id: 5c6a2a921b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青薔薇 | 作成日時：2018年3月15日 11時
