第５１話 ページ3
「包帯野郎！なあ！どういうことだ？」
レコは俺に掴みかかった
レコにカンナについた嘘を話せば、正直に話すべきだったと咎めるだろう
俺は言葉を探して黙った
レコは俺から距離を置いて口を開いた
「包帯野郎、こっちを見ろ･･･思い詰めるんじゃねえ」
「え？」
「話してみろ。男のくせに、ビビッてんのか？」
俺はレコにミシマとついた嘘について全て話した
「ミシマがそんな話を･･･！」
「ああ･･･それがカンナにとって最善のことだって･･･俺もそれに乗った･･･俺の、せいだ」
「やめろよ！そんなこと言うんじゃねぇ！」
レコは俺の胸倉をつかんだ
「傷つけるために言ったのか！？違うだろ！」
俺は何も言い返せなかった
「確かに、最初はミシマが嘘をついた･･･！それが正しいことか、分からねぇ！けどよ！確かにカンナの目には希望が宿ってたんだ！」
『カンナは･･･負けません･･･！』
あの時のカンナの目を思い出した
確かに、希望が宿っていた
「心が折れた人間に･･･夢を見させることがどんだけ難しいか･･･！」
人間は強くも、弱い生物だ
その中でも心はひどく脆い
砕かれてしまえば、元通りになることが難しい
身体の傷は治っても、心の傷は癒えない
「なんでミシマにヘンテコ教師だなんて言っちまったんだ･･･」
「レコ･･･」
「男だからって･･･ロクでもねーヤツだと決めつけるのは、良くねーな･･･」
レコは静かに目を閉じた
「事情は分かった。カンナのフォローは私がやるよ、ジン」
「ああ、頼む」
「大事なのはこれから、だろ」
レコと別れて俺は食堂の奥へと向かった
ソウはここに来いと言っていた
が、ソウの姿は見えない
「ソウ？どこだ？」
暗い部屋の中で呼びかけると、返事が聞こえた
「･･･ジンさん、こっちこっち、ここだよ･･･」
ソウの声が聞こえた方向にライターで明かりを向ける
するとオレンジ色の炎の明かりの中にぼんやりとドアノブが浮かんだ
ドアがある
黒い壁に黒いドア
明かりでここだけ灯さなければまず見つからないだろう
ドアノブをひねって中に入ると、さらに暗い空間が広がっていた
「暗いでしょ、スタンドしか明かりがないんだ」
暗所恐怖症の人なら迷わず発狂しそうな部屋だ
「こんな暗い場所で見せたいものってなんだよ」
「机の上、調べてみてよ」
ソウは悪戯に笑って、机を指さした
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蓮花(プロフ) - りんかさん» ありがとうございます！ちょうど今時間があるので、ガンガン更新しております！ (2018年3月15日 22時) (
レス) id: d09b3b9af5 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - はじめまして！いつも見てます！更新多くて嬉しいです！これからも楽しみにしてます！ (2018年3月15日 22時) (レス) id: 5c6a2a921b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青薔薇 | 作成日時：2018年3月15日 11時
