第５９話 ページ11
「何て庶民的な聖なる光･･･」
本当に普通の懐中電灯だ
明かりが点くことを確認してから俺は緑のボタンを押した
部屋から赤いランプが灯った
「始まる･･･みたいだよ」
緑のボタンを押し続けている間、コンピューターに表示されたバーが伸びていく
「ジンくん、来たよ」
ケイジの声で顔を上げると暗闇にぼんやりと白い仮面が浮かんでいる
俺は懐中電灯でその顔を照らした
顔は眩しいのか目を閉じると霧のように消えていった
しばらく格闘すると、バーが右端まで埋まった
「これで、解放されるんだよね？」
「ん･･･懐中電灯も点かなくなったみたいだねー。まあいいか」
ケイジはカチカチと懐中電灯の点灯スイッチを押したが、反応がないことを確認した
「ギン、開けて出て来れるかい？」
ケイジがギンに声をかけるがギンは震えたまま何も答えない
ケイジは檻まで近づいて、戸を開けると震えるギンを抱えて降ろした
「ギン･･怖かったな、もう大丈夫だ」
「･･･ジン兄ちゃぁん」
ギンは俺の方に駆けてきた
「よしよし、もう大丈夫だから」
「･･･ぅ･･･ぅ」
ギンは泣きじゃくっている
「･･･さ、戻ろうか」
俺は泣くギンを抱えて石の部屋を後にした
「ナオちゃん･･･いないねー。2階はハズレだったかな」
「1階でジョーが見つけてるかもしれないけどな。おまわりさんでもハズレ引くんだな」
くすくす笑いながらからかってやると自嘲気味に笑った
「困っちゃうよねー。おまわりさん、引退かな」
「あ、そういえばケイジ･･･憧れの人がいたって言ってたよね」
「言ったっけ？」
「言った」
ケイジはそうだったかなぁ、と首を傾げている
「言いたくないことならいいんだけどさ」
「はっはっは！君は本当に頭がキレる」
「割と、アンタ謎多き人物じゃん？色々知りたくてさ」
「へー、変わってるね」
「はぐらかすのか？」
ケイジは驚いたように俺を見た
「クク･･･わかった、こうしよう」
ケイジは人差し指を立てた
「メインゲームとやらを生き残ったら教えてあげるよ」
「は？なんだそりゃ」
メインゲーム
誰かが必ず死ななければならないゲーム
どうしても避けられないのか
「やっぱり、メインゲームってやるのかな」
「･･･回避は難しいだろうね。そんなのを許すやつらじゃない。そして始まってしまえば･･･皆本気だ」
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蓮花(プロフ) - りんかさん» ありがとうございます！ちょうど今時間があるので、ガンガン更新しております！ (2018年3月15日 22時) (
レス) id: d09b3b9af5 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - はじめまして！いつも見てます！更新多くて嬉しいです！これからも楽しみにしてます！ (2018年3月15日 22時) (レス) id: 5c6a2a921b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青薔薇 | 作成日時：2018年3月15日 11時
