第３０１話 ページ1
「…後は挑戦者を決めてくれ。ダミーズの電池が切れねえ程度にな」
アルジーはくつくつと笑う
「…どうしようか、挑戦者が危険なのは変わりないだろうし」
幾度のメインゲームでギリギリの綱渡をしてきた
遅効性の毒薬も喜んで食らってきた
でも、なぜ俺はまだ生きている？
見ず知らずの仲間のために命を捨てようとした俺が生き延びて
死にたくないと言った仲間たちが死んでいった
――なんと言う皮肉なんだ
おそらく俺は死に場所を求めている
楽になる方法を探している……？
俺がこのゲームで死ねば、おそらく彼、ミドリの思う通りになるだろう
――だから、俺は
「ボクがやるニャン……」
小さな影が一歩前に出る
「ボクはいっつも守られてきたワン…」
ギンは俺をまっすぐに見つめた
『ニャ･･･ボク、メダルは集めてないワン･･･。怖くて･･･』
『じゃあ･･･俺のメダル30枚受け取ってくれるか？』
『テメー30枚じゃん！しかもサオトメジンから貰っただけ！命拾いしたねー！』
『この期に及んで庇ったのかー？馬鹿だなー』
「でもね…それで、もし…ボクだけ生き残ったら……きっと、後悔するワン…自分が重荷だったんだって……！だから、やらせてほしいワン！ボクがいたから助かった人もいるんだって…そう思いたいんだワン！」
ギンは俺たちの静止も聞かずに棺に駆け込んで扉を閉めた
ギンとミドリの入った棺は闇の中に消えていった
「さあ…いよいよ始まるぜ」
アルジーは椅子から立ち上がると着いて来い、と手で合図した
彼に続いて奥の通路を進むと明るい部屋に出た
室内灯の灯りの割には青白い光は空に浮かぶ大きな球体から放たれていた
「…なんだあれ？月？」
屋外に出たのかと錯覚するほどによくできたものだった
大きな月の浮かぶその部屋はそれ以外何もない殺風景な部屋だった
「棺はどこに行ったんでしょうか…」
サラは辺りを見渡してつぶやいた
「そんなに急くなよ…。出て来い！」
アルジーの声に応えるように地面が大きく揺れる
機械の上に棺が並んでいる
「ババァーン！スゲー機械だろー！」
大掛かりな機械だ
"宴"はこれを使って行われるのだろうか
装置を観察するために近づく
機械にはモニターとランプが付いている
棺に手を伸ばすとアルジーが声をかけた
「おっと、今生の別れがまだだったかい？もう扉は開かないぜ、今ロックしたからな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハデス - ゆっくり更新してください。応援しています！男主の秘密...ドキドキして読んでいます！ (9月21日 17時) (
レス) @page23 id: 087d3e6d61 (このIDを非表示/違反報告)
蓮花(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます。最終章が公開されましたらのんびり更新していきます (8月24日 7時) (レス) id: 6d93495a63 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - キミガシネにハマりこの物語にハマってしまいました、物語がほんとに作り込まれていて今では大好きな物語です、更新楽しみに待っています (8月20日 0時) (レス) @page23 id: 39f071eb34 (このIDを非表示/違反報告)
scythe - こんばんは、一気見しました。良い作品をありがとうございます。更新楽しみにしてます。陣くんが好きで三次創作を描いたのですが、どこかで蓮花さんに送ることなどはできますか？ (8月3日 19時) (レス) id: b5b8c5d4bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青薔薇 | 作成日時：2023年5月28日 1時
