123Q 一番最初と的中とそれから答えろ ページ28
＊＊＊＊＊
バンッ。
「A！」
扉を開けるなり、西野は土足のまま駆け上がった。絶対に戸締りを忘れないAが、影をかけずに家を出るなんてありえない。
物が少ないリビングには、ソファの上に白いブレザーとマフラーと鞄、テーブルにはスマホが置かれていた。
「A！ どこ!? A！」
親友の名を叫びながら室内を散策していた西野だが、ふと、目の端に電話機が入った。
それがどうしてか、妙に気になった。
ピッとボタンを押す。録音された内容が、機械から紡がれる。
＜Aちゃん、お久しぶり。利加子です＞
「っ……！」
刹那、西野の目が瞠られた。
＜前に話したと思うけど、例の件、今月におこなうこととなったの。急で申し訳ないけど、明日の朝に迎えを寄越します＞
玄関口から聞き慣れた声が聞こえる。
＜本当は年明けの予定だったんだけど、先方の方がどうしてもあなたに早く会いたいと
複数の足音が廊下から響いている。
＜けど、悪い話じゃないでしょう？＞
一つ、二つ、いや、三つ。
＜あなたを支え、寄り添い、生涯を共にしてくれる人＞
足音を立てて走っているのは三人。
＜あなたの、将来の夫となる人なんだから＞
リビングに、一番最初に駆け込んできたのは――。
「どういう、ことだ……？」
最も知らせてやりたくて、最も知らせたくない。
虹村修造だった。
「なんで、テメェが最初なんだよ……」
「おっと……？ A、の……？」
「なんで、田中や会長じゃないんだよ」
「西野！ どういうことだ!? あいつの夫って、将来って……！」
西野に掴みかかる虹村に、田中と藤村が慌てて止めに入った。
「おい虹村！ 落ち着けって！」
「そうですよ虹村君！ 落ち着いてください！」
「答えろよ西野！ あいつの将来ってどういうことだ!? 夫ってなんだ!?」
「……」
「答えろよっ！ 西野ぉ!!」
虹村の、苦し気な悲鳴が西野の耳をつんざいた。
ああ。
どうしてこうも。
あたしのいやな予感は、当たるのだろう――。
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黄葉氷雨(プロフ) - これ大好きです!!!思わず一気読みしちゃいました！続きが気になります…いつまでも待ってますよー (2016年2月25日 14時) (
レス) id: 2846151982 (このIDを非表示/違反報告)
ユミキ - この作品大好きです!!にじむー超カッコイイ！更新は急がなくて大丈夫だと思うので、きちんと完結した作品にしてください!!!お願いします！m(__)m (2016年1月5日 22時) (レス) id: 2cdc7b326e (このIDを非表示/違反報告)
はるち - 凄く面白かったです!!虹村さん男前すぎます!!キセキの気持ちがわかります!!期待してます!! (2015年12月30日 13時) (レス) id: 3cc41fe1af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉−KUREHA−(プロフ) - 時計ウサギさん» 時計ウサギ様、コメありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです(*´∀｀)更新が落ちていますが気長に待っていただけると幸いです(；＾ω＾) (2015年12月10日 22時) (レス) id: 5687a48801 (このIDを非表示/違反報告)
時計ウサギ(プロフ) - 最初から一気に読みました♪虹村先輩カッコよすぎです!!続き楽しみにしてます♪ヽ(´▽｀)/ (2015年12月10日 21時) (レス) id: 93ddaea698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2015年7月1日 0時
