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第27Q 突きつけられる現実 ページ29

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「赤司……!」




そこにいたのは小人サイズなんかじゃない赤司。


私がふらりとそちらに向かおうとすると、


赤司は初めて見せる冷たい表情で私を冷やかに眺め、こう言った。




「――キミもわからない女だな。僕のモノのくせに他の男にも愛想を振りまいて、いったいどうするつもりだったんだ?」




……キミ、と。


まるで初めて出会ったときのように私を呼ぶ赤司に、私はやっと違和感を抱く。




「……あか、……し?」

「キミ達人間が僕らにとってどんな存在か、その体に教え込んでやろう」




――赤司がそう言った次の瞬間、私の身体は宙に浮き一瞬で自分の部屋に投げ出されていた。




 




「……痛、っ――…!」




私の身体は床の上に投げ出され、


そうつぶやくのを赤司は腕組みしながら冷ややかに見つめているのがわかった。


なぜか身体の自由がきかなくて、


唯一動かせる視線を動かすと、赤司の左眼が淡く金色に光っていて。




「……さて、キミの血はどんな味がするのか確かめさせてもらおうか」




そう言った瞬間、私の身体は何かに操られているかのように起きあがり、


赤司の目の前に動かされた。



(あら)わになっている首筋に赤司の指が()う。


ほんの少し触れただけなのに私は敏感(びんかん)に反応していて、


気づけば身体中が熱くなっていて。



触れられて嬉しいくせに、


同時に怖くてたまらなくなった私はぽろぽろと涙を流して赤司の顔を見つめていた。




 




 




 




(呪いが解けたんだ)




その雰囲気に、淡く金色の輝きを放つ左の瞳。


私は漠然とそう思って、そしていつか見た夢を思い出していた。


あれは正夢だったんだ、と思いつつもあの夢とは決定的に違うところに気づいて、


涙が止まらなかった。



……怖いと思う気持ち以上に、苦しくて。



……赤司の態度に自惚(うぬぼ)れてたんだろうな。


もしかしたら少しは私のことを好きになってくれたんじゃないかって、思い始めてたから。



だから、今突きつけられている現実が痛い。


結局赤司は私のことを“餌”だと見なしていたんだと、今更ながらに実感してしまうから。




「………、…」




赤司。



そう呼びたくても、もう声は届かなかった。




 




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ゆあ - すごくキュンキュンしました! ヤバイですね! これからも頑張ってください! (2017年3月16日 22時) (レス) id: 8e5932bb74 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 吸血鬼の赤司がかっこいいです。 応援しています! 頑張って下さい^ ^ (2017年2月14日 6時) (レス) id: bf74db187f (このIDを非表示/違反報告)
かずみ - いえいえ!はい!続編おめでとうございます。 (2015年6月7日 14時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
藍沢鳴(プロフ) - フユトさん» ありがとうございます! これからも更新も含めて頑張らせていただきます!! (2015年5月8日 14時) (レス) id: 5e3089a4fd (このIDを非表示/違反報告)
藍沢鳴(プロフ) - さくさん» ありがとうございます! そんな風に言ってもらえて嬉しいです。(^^) これからも頑張ります!(*`・ω・´*) (2015年5月8日 14時) (レス) id: 5e3089a4fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍沢鳴 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年4月9日 0時

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